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教育理念

『音楽芸術研鑽の一貫教育を通じ、情操豊かな人格の形成を目途とする』

◆三室戸学園の「建学の精神」及び沿革

三室戸学園は、学祖三室戸敬光が、昭和9年11月東京高等音楽学院の学院長在職中に私財を投じて東京都文京区に東京高等音楽学院大塚分教場を開設し、昭和13年2月、三室戸為光がこれを分離独立の上継承し、「東邦音楽学校」と改称した時に始まる。以来70余年にわたり「音楽芸術研鑽の一貫教育を通じ、情操豊かな人格の形成を目途とする」ことを建学の精神として掲げ、伝統ある音楽大学にふさわしい教育・研究体制を整備するとともに、中学校から大学・大学院までの音楽における一貫教育の実践が実現し、内外に誇れる音楽教育のための学園として発展し、今日に至っている。また、卒業生との連携についても、平成15年度から、大学、短大、中、高、二高の入学試験において、卒業生推薦入学試験制度を導入するなど絆を一層深めている。さらに、教育環境の整備については、平成16年3月に教職員・学生が待望していた音楽ホール「東邦音楽大学グランツザール」が完成したほか、平成17年3月には「管弦練習棟」が川越キャンパスに完成し、音楽芸術・教育活動の拠点として充実をみている。平成17年2月には文京キャンパスから移築した学園創設時の建物「東邦音楽学校三室戸記念館」が川越市百選に選定されると共に川越市重要建築物にも指定されるほか、「東邦音楽大学グランツザール」が埼玉県彩の国景観賞および川越市都市景観デザイン賞を受賞するなど、地域においても学園の存在を大きくアピールしている。また、一昨年の創立70周年記念事業に引き続き、昨年12月にはオペラ「フィガロの結婚」を、五島記念文化財団および目黒区芸術文化振興財団との共催により、キャストも新たに「めぐろパーシモンホール」において公演し、ホールが満席となる大盛況で、音楽関係者からも高い評価が与えらた。また、川越キャンパスにおいては、70周年記念館として多目的ホールやレッスン室、講義室、学生ラウンジおよびレストランを備えた16号館を建設に続いてキャンパス内の緑化を行うなど教育環境の整備を着々と推進している。

 

◆東邦音楽大学・東邦音楽短期大学の教育体制とその方針

東邦音楽大学は、「建学の精神」を実践するために、①一貫教育の実践②少人数制による教育③国際化の推進④地域社会との交流の4つを教育の基本方針として、音楽学部音楽学科、1学部1学科4専攻(ピアノ、声楽、管弦打、作曲)の構成で開学した。以来、時代と社会の要請に応じた教育・研究の高度化並びに教育課程の設備充実に努め、四半世紀以上にわたって時代と社会の要請に応える人材を送り出してきたが、平成12年には実践的で社会に対して有効性が認められる教育・研究領域として「音楽療法専攻」を設置し、1学部1学科5専攻となった。
さらに、本学の特色であり「基本方針」の一つである「国際化の推進」を実践しているのが、ウィーンアカデミー(海外研修所)における研修である。平成3年度以降学部の3年次生全員が15日間オーストリア・ウィーンにおいて学習する学科(必修)として設定している。この研修をより充実するため、平成13年6月にマキシンガーシュトラーセ16番地に本学所有の施設として独立した建物を取得し、当該施設を拠点として、ウィーン国立音楽大学の教授陣やウィーン・フィルハーモニーの団員等より直接指導を受けたり、西洋音楽の基幹をなすウィーンにおいて直接触れる「文化」は、音楽芸術を志す学生にとっては憧れであり、大きな力になると確信している。
また、大学教育の充実を図るため、平成13年度よりFD(ファカルティー・ディベロップメント)による教育改革に取り組み、各専攻実技と関連科目を有機的に結びつけ、本学における音楽教育に対する価値観の形成および多様な学生の目標や目的、期待に少しでも近づくことができるようにした。また、平成16年度よりカリキュラム改革を行い、学内演奏を独立科目に、教職を志望する学生のための伴奏法の新設、ピアノアンサンブルの選択化等、学生の音楽能力向上のための一層の充実を図った。実技を中心とした改革については一巡したが、平成20年度からは更なる改革を進めているところであり先生方の一層のご理解とご協力をお願いしているところである。特に、東邦の音楽が世界のスタンダードとして認識され、通用するように教職員が一致団結して協力していくことが必要である。短期大学については、平成17年度よりカリキュラムを大幅変更し、従来のアカデミックコースに加えプラクティカルコースを設け、現代学生のニーズに沿ったものも取り入れた。平成22年度からは、近年学生に対する基礎教育、教養教育の充実や大学における修学意識や社会的・職業的自立といった意識の涵養が大学および短期大学に求められていることを踏まえ、新たに「東邦入門講座」を開講するなどカリキュラムの見直しも行った。また、学生の意識変化や学生生活に対するさまざまな問題を起因とした退学・留年等の学生に対するケアをより徹底するため、従来のオフィスアワーを発展させクラス担任制度を導入することとした。

そのほか、文京キャンパスでは、平成16年4月より東邦音楽大学エクステンションセンターを設置しさまざまなニーズに対応した幅広い講義・実技等の講座を実施しているほか、平成19年4月からは大学・短大卒業生を対象に、より音楽力をい高めるアドバンスコース・エクセレントコースを設けた。

◆東邦音楽大学大学院の目的および特色

東邦音楽大学大学院は、40年間にわたって培われてきた「音楽を通じて全人教育を行う」という建学の精神に基づき、音楽芸術に関する知識と技術を授け、文化国家形成のため、有能な演奏家並びに音楽の指導者を養成するという専門教育に基礎を置いている。さらに大学院では、専攻分野における研究能力と高度の専門性を授け、優れた音楽家を社会に送り出すこと、併せてウィーンアカデミーでの高度な技術習得のための研鑽、ウィーンを通した西欧の音楽思想・文学・哲学・歴史的知識を総合的に研究することにより、海外でグローバルに活躍できる人材を育成することを目的とする。即ち「広い視野に立ち精深な学識を授け、音楽分野における研究能力または高度の専門性を要する職業等に必要な能力を養い、文化の進展に寄与すること」を目的・理念としている。ウィーン研修においても積極的な研修姿勢をみせ、特別研究では音楽の表現と様式を知り、その作品の作者と時代の精神、習慣、生活までをもとらえ、その上で自分自身の人生との共感部分を音楽によって表現することができたと思われる。院生たちは修士論文・修了演奏会を経て、平成22年3月に第¥5回の修了生に学位(修士)が授与され、これで修了生は延べ84名となった。なお、社会人や卒業生にも門戸を広げるため、平成20年度より文京キャンパスにおいて授業を開講している。