2011年10月

卒業生の仕事場:正司侑子さんにきく

R0010770_20111104.jpg 東邦音楽大学音楽療法の卒業生たちが、多くの現場で活躍をしています。
 今回は、常勤職として音楽療法の実践に取り組んで4年目になる、卒業生の正司侑子さんに、現在のお仕事についてうかがいました。また、正司さんは、音楽療法専攻卒業生の仲間と、ボーカル2名とピアノのユニット「花うたぴあの」を結成し、ライブ活動も行っています。

Q: 現在の職場での仕事での様子を教えてください。

A: 障害者支援施設で、常勤の音楽支援員(私の職場独自の職名で、音楽療法を専門に行なう職種)として入職しました。今年で4年目になります。知的障害者・身体障害者(いずれも成人)を対象とした支援施設で、そこに住んでいる利用者と、通ってくる利用者とがいます。私の主たる仕事は、そうした利用者と音楽で関わることです。
 私の勤める施設は、音楽療法に大変力を入れていて、音楽療法専用の部屋やたくさんの楽器もあり、音楽療法士にとって、大変恵まれた職場です。
 私はほぼ毎日、午前中に小グループでの音楽療法、午後に音楽ムーブメント(音楽に合わせて体を動かす活動)を行なっています。その他、必要に応じて利用者の生活面での介護の仕事も行いますが、1日のうちの大半の仕事は利用者に音楽でかかわる時間です。

Q: 仕事の上で、一番のやりがい、よろこびは何ですか?

A;掃除や着替えなど、生活面でのケア、音楽療法の部屋への誘導なども私の仕事の一部です――つまり、私は利用者の生活全体をみることになるわけですが、そのことは、仕事をする上での喜びや楽しさにかかわっています。
 音楽以外の場面と比べて、音楽療法では利用者がとても生き生きしていることが多いのは確かです。あるいは、音楽の場面で、それまでスタッフが考えていたよりも理解力があるのを見つけた利用者もいます。最初は音楽療法の部屋に入れなったのが段々入れるようになり、次第に笑顔が増えていった、そんな利用者もいます。そうした利用者の変化に立ち会えることは、とてもうれしいことです。

Q: 他の職種のスタッフとの連携はいかがですか?

A;生活支援を担当している同僚は、ありがたいことに、音楽療法の中での利用者の変化を同僚が見て、"音楽があってこそ変化が生じた"と言ってくれています。
 私も、音楽の中で見つけた利用者の新たな面や、行動の変化についての情報を、生活支援をしている同僚に伝えています。そうすることで音楽での支援と生活支援とが連携ができています。私の前任者が、生活支援のスタッフとの関係の土台を築いてくれたおかげで、今は、私と同僚たちとは何でも言い合えるいい関係ができています。

Q: 仕事をするのが楽しそうですね!

A: 私は利用者の人たちが大好きですし、彼らと音楽をやるのは本当に楽しいです。また、音楽療法に理解のある職場と同僚に恵まれてもいると感じています。
 幸いなことに、入職してから今まで、職場を辞めたいとか、今日は仕事に行きたくないとか思ったことは全くありません。もちろん、色々な悩みはその時々にありますが、たとえ嫌なことがあっても、セッションの中で利用者の人たちがたくさんのものを返してくれるので、ああ、今日も仕事に来てよかったな、といつも思います。

(インタビュー・構成:二俣泉)