短大の講義から~その2


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先日、短大のユニークな講義のご紹介をしましたが、今日はその第2弾です。

「ピアノ指導者のための教材研究」は、幼児期や児童期のピアノ指導について、実際の教材に触れながら研究して行く内容です。ピアノレスナー養成専攻生は必修科目となっており、ピアノ専攻生もそのほとんどが履修しています。

ピアノ指導法の研究には、さまざまな鍵盤楽器についての知識が欠かせません。

先日、砂原悟先生がクラヴィコードを講義室に運び込んで実演と解説をしてくださいました。
バロック時代の鍵盤楽器というとチェンバロが有名ですが、クラヴィコードはチェンバロとは全く仕組みも特徴も異なる楽器です。チェンバロは弦をはじいて音を出しますが、クラヴィコードは「タンジェント」という小さな金属の板が弦をたたいて音を出します。指先の微妙な感覚が直接弦に伝わっていく、それはそれは多感な楽器なのです。
バロックの巨匠たちは皆、このクラヴィコードを愛用していたそうです。もちろん大バッハも!

砂原先生の奏でるクラヴィコードによって、バロック時代の音楽の驚くほど繊細かつ豊かな表情が講義室の中によみがえりました・・。

講義終了後も、興味を持った学生たちがクラヴィコードを取り囲んで、その音色に耳をかたむけていました。