講師
- 役職 :
- 講師
- 担当科目 :
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- 大学:日本事情
[高岸 美代子]
広島大学教育学部を卒業し、江田島の海上自衛隊に防衛庁教官として赴任しましたが、結婚退職し,7年後埼玉県の高校の国語の教員として復職しました。埼玉県立和光国際高校で外国人生徒に日本語も担当することになり、日本語を研究するため、早期退職してお茶の水女子大学の大学院に進学しました。大学院では、コミュニケーションの研究をしていました。
退職後は私立高校の非常勤講師として、韓国人留学生には日本語(1年)を日本人生徒には国語、また混合クラスでは国語を教えながら、大学院で日本語の研究をしていました。
現在は、日本語教育に専念し、一橋大学の大学院で聴講生として学びながら、日本語の総合テキストを作成したり、また、日本語教師養成課程では教育実習を担当したり、他大学でも留学生の日本語指導をしたりと、日本語関係の仕事をしています。
大学時の卒業論文は「川端康成との日本の伝統」、趣味は茶道と会席料理で、静の日本文化に興味がありますが、反面情熱的なフラメンコにも興味があります。10年前、単身スペインに渡り、フラメンコの短期留学したのは最高の思い出になりました。
かれこれ国語教育には40年、日本語教育には25年携わっています。話し言葉の指導は日本語教育、書き言葉の指導は国語教育とそれぞれに長所があります。これまでの現場経験を活かし、実践と研究の場を行き来しながらよりよい指導法を模索しています。
日本人の特性や文化に触れて、日常会話ではコミュニケーションによって円滑な人間関係が構築できるよう、また、日本語能力を高めて、論文を読み書きできるよう、意見文の読解、作文や討論に力を注いでいます。
当音大の留学生は作文においては表現面や文法面ではまだ習得できていない面もありますが、内容的にはしっかりした主張を持っていて、潜在的な知識教養がうかがえます。これは家庭の教育力の賜物だと思います。また、演奏の練習に関しては「1日怠けると、取り戻すのに5日かかる」といわれることもあります。音楽はスポーツと同じように練習がすぐに形になってあらわれるので、日々の努力が欠かせません。音大の留学生には、基礎力となる知識教養に加えて、努力する力、そして明確な目的意識があります。母語と同じ能力が日本語で発揮できるようにすることが私の指導目標です。
いつも思うことですが、留学生は日本人の友人を、日本人は留学生の友人を作ってほしいです。大学は生きた文化交流の場です。折角、留学生と日本人が音楽という共通の言語を持って共に学んでいるにもかかわらず、ともすれば、自国の友人同士で群れてしまう傾向があります。
一般の大学と異なり、オーケストラのように皆で協力して作り上げる機会にも恵まれています。お互いに日本で生涯の友を得てほしいです。言葉は人と人との間で実際に使ってみて生きたものになるのだと思います。日本人を通して、生きた日本語、日本文化を学んで、世界で活躍できる優れた人材になってほしいと願っています。