CROSSTALK vol.01
エンタメ界での可能性を拓く、PACSの学び

CROSSTALK vol.01 城之内ミサ×伊秩弘将×Miiya

PACSでは、幅広いエンタメにまつわる知識や技術を、多様な講師陣から学ぶことができます。今回は、開設以来の名物授業「THE業界人(仕事の流儀)」を支える音楽プロデューサー・伊秩弘将先生、ライブハウス経営者・シンガーソングライターの経験を活かし、「エンタメビジネス」の科目を担当するMiiya先生を交えて、PACSの魅力、エンタメ界の奥深さを紹介します。

「エンタメ大好き!」の先に広がる、
PACSならではの未来

―PACSは2018年に開設されました。PACSだからこそ学べる魅力とはどのようなところですか。

城之内先生

城之内:PACSが最も大事にしているのは「表現者(パフォーマー)と制作者(プロデューサー)双方に必要なことを、同時に同じ空間で学ぶ環境」です。歌、楽器、演技といった表現者、そして制作全般・プロデュース、照明、音響など、個々の技量を伸ばす学校は多いですが、両方の視点を身につけられることに重きを置いています。
エンタメ業界に強く惹かれるけど、自分が表現者、制作者のどちらにより適正があるのかわからない、ひとつには決められない、何かを軸として幅広く学びたい、という方にも最適の学びの場です。

―双方の視点が、なぜ重要なのでしょうか。

城之内:エンタメ業界は、才能ある人たちがたくさんいる、生き残りの厳しい世界です。その世界で、どうやって自分に付加価値をつけて生業としていくか。そこには、技術はもちろん、同じ仕事を支える人たちへの心遣い、広い視野、柔軟な考え方などが不可欠です。
たとえば作曲家としてゲーム音楽を書きたいと思っているならば、作曲そのもの以外の、脚本を読みこむ力であるとか、本業以外の「様々な視点」で捉えることも実践では重要になってきます。これだけAIが仕事の分野に踏み込んでくる昨今、本業だけやっていればいいというものではなく、本業の精度とともに視野を広げて取り組む姿勢が問われていきます。
PACSでは、授業の主軸となる実践や、探究型授業、インターンシップを含めた現場経験をできる限り積むことで、音楽、演技、舞台、声優、ダンス、旅までも含めた幅広いエンタメ業界に通じる人間力も育んでいければと願っています。

―「THE業界人(仕事の流儀)」の授業で進路を見出す学生も多いそうですね。

城之内:様々な授業がある中で、特にこの授業では、各界の講師が3コマずつ担当することで、具体的な仕事の内容や魅力を深く学ぶことができます。伊秩先生をはじめ、舞台監督、俳優、アナウンサー、芸人、番組プロデューサー、声優、アニメプロデューサー、さらには航空会社のパイロットやCAの方に来ていただくこともあります。この授業を通して初めて知る業界などもあり、学生の興味関心が広がっています。

伊秩先生

伊秩:僕の場合は、この授業で、今の音楽業界の実状をシビアに学生に伝えるようにしています。DTMや音楽編集アプリなどの登場で、プロと一般の垣根がなくなった現在は、音楽で食べていくのは困難です。さらに未来では、音楽ではほぼ食えないでしょう。こうした現状を隠すのではなく、正直に伝えます。自分の人生ですからね。本当に才能があるのか、時代を掴めているのか、ほかに適性のある道はないのか、できるだけ考えてもらっています。
僕から軽々しく、「夢は叶うよ」なんて言えません。それでも、音楽業界でしか味わえない感動や、人を魅了する強い力が確かにある、ということも知ってほしい。
だからこそ、表現者と制作者の両方の立場を経験し、自分の特性を見極められるPACSの環境は非常に意義深いと感じています。

城之内:伊秩先生には、座学のほか、「IJICHI’s Living Door」というイベントのオープニングアクトに出るチャンスもいただいています。

伊秩:イベントに出る前と後では、学生の顔が違いますね。現場経験の大切さがよくわかります。実践や現場で学べることは非常に多いですから、インターンシップにもどんどん行ってほしい。

Miiya先生

Miiya:そうですね。私のライブハウスでは、定期的にインターンシップを受け入れています。演者希望の学生であっても、受付から音響、照明、生配信、経営といった裏方を体験すると、舞台の上に立つまでに、どれほどの人に支えられているかを実感することができます。インターンシップを経験して、シンガーソングライターとしてステージに立つ傍ら、音響・照明をも手がける、という二刀流でここに就職してくれた学生もいます。

適性を見据えた先に開ける社会人としての道

―卒業生は、どのように進路を見つけていますか。

城之内先生

城之内:入学時にすでに志がある学生たちですから、PACSで自分の殻をやぶり、視野を広く持てれば、そこからは自由に、自ら将来を切り拓いていっている印象です。しかし、いくらPACSで様々な可能性があることを示しても、ご本人にその興味がなければ講師の経験からなる言葉も全く刺さらないこともあるのです。本人の資質・感性・センスといったところは、教育ではどうにもならない部分があることも事実です。これらを含め、どう学生に伝えればいいのかが大きいと感じています。たとえば、「THE業界人(仕事の流儀)」を受講したことがきっかけでアナウンサーや芸人としての才能に気づいたり、韓国ミュージカルの著名作曲家の講座を受講した際に、その学生のパフォーマンスによって講師から次の舞台へのお誘いを受けた学生もいます。
講師陣としては「学生の可能性を信じて待つ」。つまり、学生さんが「なるほど!そういう側面もあるのだ」ということに気づいていただけるかどうか。教える講師側にも必要な要素だと思っています。

伊秩先生

伊秩:確かに、「自分はこういうタイプ」という垣根を一度取っ払うと、潜在能力が開花する学生は多いですね。SNSの影響か、人に合わせすぎる学生が多い気がするので、もっと自分を開放してあげて、気兼ねなく個性を伸ばしてほしいですね。

城之内:就職では、PACS 独自のインターンシップの経験を経て舞台監督の会社に入ったり、シンガー希望でありながら最終的に報道を志しテレビ制作会社に就職したケースもありました。声優を目指していた学生が、航空会社に就職した例もあります。航空会社の講師の講座を受けたことで、「自分の声は、アナウンスでも使える!」と気づいたそうです。
非常に才能あるラップを作っていた学生が、授業のスタッフワークがきっかけでレコーディングの魅力にはまって、レコーディングエンジニア兼、音楽プロデューサーとしてスタジオに就職したり。自分自身がアーティストでありながら、レコーディング、マスタリングまでできるというのは強みです。2027年から新設されるMDCCでは、プロスペックの機材を備えた専用スタジオが使えるので、パフォーマンスのみならずエンジニアとしての学びも体験していただきたいです。

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東邦音楽大学パフォーマンス総合芸術文化専攻 PACS

きっかけは、音楽&エンタメを、ただ「好き」なだけでいい!

学校法人 三室戸学園 東邦音楽大学 パフォーマンス総合芸術文化専攻

パフォーマンス総合芸術文化専攻(PACS)で
学べること

デジタルコンテンツ(DTMを駆使した作編曲・音楽制作)
俳優
声優
ミュージカル
アーティスト(シンガー・シンガーソングライター)
ダンス
舞台芸術全般
韓国エンタメ
プロデュース全般
ビジネスツール(経営学・マーケティング・ブランディング他)

その「好き」という想いと価値観を大切に。
けれど、時には「好き」だけでは
通用しないこともある。
自分の興味のないことにも目を向け、
多様な経験を積むことで「好き」は
さらに大きく羽ばたく。
業界人としての知識や技術、
そして人間力を養い、
本気のエンターテインメントに触れることで、
自分だけの活躍の道を目指す。

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