声楽専攻 卒業生の活躍 木村優太さん

木村 優太さん
木村 優太さん
プロフィール :
東邦音楽大学大学院修了。2017年オーストリア・ウィーンへ渡欧。留学してすぐにウィーン国立歌劇場合唱団、アーノルドシェーンベルク合唱団と契約。オーストリアではジャンニスキッキのリヌッチョ役、ドイツでは椿姫のガストン役でオペラデビュー、その他にもSt.オトマー教会を始め各地のミサに出演し好評を博す。これまでに声楽を大槻孝志、大島洋子、藤澤佑一、P.ヘルビッヒ、V.ルキアネッツの各氏、リートオラトリオをウォルター・ムーア氏に師事。現在、世界的テノール歌手イェルク・シュナイダー氏の下で勉強中。2019年6月よりマーラーフィルハーモニカ専属オペラ歌手。

インタビュー

現在のお仕事について教えてください。

ウィーンで声楽を勉強しつつ、テノール歌手として舞台に立っています。
最初の舞台は2018年12月、ウェーバーの歌劇「オイリアンテ」での合唱でした。
さらにソロのオーディションも受け続けていたところ、うれしいことに2019年6月、マーラー・フィルハーモニカとソロ歌手として契約できました。

ウィーンで本格的に学びたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

東邦音楽大学3年次と大学院の1年次のウィーン研修で二人の素晴らしい先生に教わったのがきっかけですね。
リートオラトリオ歌手のウォルター・ムーア先生とメゾソプラノ歌手のポレット・ヘルヴィッヒ先生です。
身近にオペラ座がある環境に身を置いて、お二人の先生の指導を仰ぎたいと思ったのです。
東邦ウィーンアカデミーの林千尋先生の尽力で教えてもらえることになり、すぐに身の回りの物を処分してウィーンに飛びました。

ウィーンでの暮らしはいかがですか?

歴史上の人物だった作曲家が身近に感じられるようになりました。
家から歩いて10分の場所にモーツァルトのお墓がありますし、シューベルトの生家は友達の家の前。
ベートーヴェンが住んでいたのは、誘われて食事をしたレストランの近くです。
街には古い建物もたくさん残っていて、偉大な作曲家達と同じ空気を吸って、同じ建物を見ているのかなと思うと不思議な気持ちになります。
また、駅や道端で歌曲を歌っている人が普通にいますし、気候の良いシーズンには野外スクリーンにシュターツオーパーの舞台が映し出され、歩いているときに歌声が聞こえてきます。クラシック音楽が日常に溶け込んでいる感じですね。

東邦音楽大学で学んだことで、今のお仕事に生きている事はありますか?

将来はピアノの調律師になろうと思い、東邦第二高校に進学したのですが、そこから一転、テノール歌手へと目標を変えたのは、大槻孝志先生の声楽指導を受けたからです。
まさに運命の出会いでした。大槻先生の舞台を観に行くうちに、いつしか声楽家になりたいと思うようになったのです。
なかでも「エフゲニー・オネーギン」で、若き詩人のレンスキーを歌われた舞台は忘れられません。
万雷の拍手を浴びる大槻先生の姿を見て、私も舞台に立つ感動を味わいたいと強く思い、帰りに「エフゲニー・オネーギン」の楽譜を買いました。
高校、大学、大学院と9年間を過ごした東邦時代は私にとって宝物のような年月です。特に大学主催のオペラ公演「フィガロの結婚」に合唱で、「魔笛」に僧侶で出演したのが心に残る思い出ですね。学内はいつもアットホームで先生も温かく、オペラ公演の際も専攻の垣根を越えて先生方がアドバイスをしてくださいました。その言葉一つひとつが今に生きていると感じています。

2009年12月 東邦音楽大学オペラ定期公演 歌劇『フィガロの結婚』より
於:めぐろパーシモンホールにて

2012年2月 東邦音楽大学オペラ定期公演 歌劇『魔笛』より
於:めぐろパーシモンホールにて

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