日本管弦打楽器ソロ・コンテスト

文化庁後援
埼玉県芸術文化祭2021・埼玉まなびぃプロジェクト協賛事業

中学生・高校生のための第18回 日本管弦打楽器ソロ・コンテスト

全部門審査統括委員長メッセージ~各予選審査を終えて~

ファゴット奏者
東邦音楽大学特任教授
演奏部長

Kouei Asano
浅野 高瑛

鹿児島予選を終えて
第18回大会の幕開きとなる鹿児島予選を、去る10月3日に無事終えることが出来ました。
昨年に続きコロナ禍での開催であり、加えて緊急事態宣言やまん延防止期間中は部活動ができないため、満足に練習できない苦しい日々がコンテスト3日前まで続いておりました。
このような状況にもかかわらず、参加された皆さんは熱い思いとエネルギッシュな演奏で存分に魅せてくれました。
特に高校生の木管楽器では甲乙つけ難く、高い演奏レベルに感嘆の声が上がり、本選への期待が高まっております。
本選に進まれる皆さんは東京まで足を運ぶことになり、このコロナ禍では大変な事も多々あると思います。
一人でも多くの皆さんに、本選の舞台で自分の演奏を披露し、思いっきり競いあってほしいと願っております。
最後になりますが、こうして鹿児島予選が無事3年目を終えられましたのは、鹿児島をはじめ九州の諸先生方のお力添えの賜物と改めて感謝いたします。

青森予選を終えて
部活動停止期間の延長や会場変更などの困難がありましたが、地元の先生方や関係の皆様のお力添えにより、無事に予選を実施することができました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
県内外から集まった皆さんの、エネルギーに満ちた気持ちよい演奏には、審査員・スタッフ一同、心を打たれました。
吹奏楽コンクールとアンサンブルコンテストの間にあたるこの時期に、ソロ演奏として皆さんが自分自身に真摯に向き合ってきた時間と経験は、必ず皆さんの力となります。
本選に出場される皆さんはさらに自分の音楽に磨きをかけ、堂々と舞台に臨んでください。
昨年は感染拡大の影響を受け、やむなく中止となった青森予選。
まだ不安の残る状況の中でも、今年第18回大会を弘前の地で行えたことは、必ずや次につながるものと確信しております。

埼玉予選 弦楽器・打楽器の部を終えて
埼玉予選は東邦音楽大学 川越キャンパスを会場とし、10月24日の弦楽器·打楽器部門から始まりました。
全国的な感染拡大により、多くの学校で授業や部活動もままならない時間が長く続いたにも関わらず、そうした影響を少しも感じさせないエネルギッシュな演奏に審査員の先生方から称賛の声が寄せられました。
弦楽器部門は、コロナ禍にもかかわらず例年より参加者が多く、加えて全体的に演奏レベルが高くなっていると先生方からは感嘆の声があがっていました。
厳しい予選を勝ち抜いた皆さんには、一層自らの演奏の精度を高め、音楽表現を豊かにして本選に臨んでほしいと願います。
打楽器部門では、審査員の先生から「与えられたことはきちんと出来るようになっているから、もっと『自分の言葉で』自由に表現してほしい」という意見が多く出ました。
これは全ての楽器に共通して言えることですが、マリンバの皆さんには特に意識してほしいということです。年々皆さんのテクニックが向上していることは審査員の誰もが認めていることです。
しかし、そうであるがゆえに、ここから更に飛躍するためには各自が『自分の言葉で音楽を語る力』、その自由度がほしいと感じる予選でありました。
本選では、皆さん自身から湧き出る音楽を存分に見せていただきたいと期待しています。

埼玉予選 木管楽器の部を終えて
木管楽器の部の予選が、11月3日文化の日に東邦音楽大学 川越キャンパスにおいて無事終了しました。
参加者、来場者の皆さんには感染対策にご協力いただき、安全に実施することができましたことを改めて感謝いたします。
毎年皆さんの演奏を聴くにつけ、そのレベルは高まる一方だと感じています。これは木管のみならず、他の部門の審査員からも同様に出てくる言葉です。
しかしさらに良くしていくために、審査員の先生方と話し合った2つのポイントについて、皆さんにお伝えしたいと思います。
まず1つ目は、演奏時のマナーについてです。演奏は「演じて奏でる」と書くように、舞台に出てきたところから皆さんの音楽は始まっています。演奏場面によっても異なりますが、ここに一例を挙げますのでぜひ参考にしてください。
・舞台に出て演奏位置についたら、まずピアニストとともにお辞儀をしましょう。その後で、落ち着いて譜面や楽器の用意をします。
・チューニングは、ピアノにA(ラ)の音を弾いてもらい、その音を聴いてから、素敵な音色で行いましょう。例外もありますが、基本的にはクラシックのソロ演奏の場合、チューニングはAです。吹奏楽ではB♭(シ♭)でチューニングすることに慣れているかもしれませんが、ピアノと一緒にAの音でのチューニングも練習しておきましょう。
こうした一連のふるまいは、自分の演奏にも、またそれを見る人に対しても大きく影響します。演奏レベルが上がっているからこそ、その前後のことも気をつけられるとより良くなると思います。
2つ目は、自分の心を動かして演奏してほしい、ということです。教わっていることを自分のものにできている、まずこれはすばらしいことです。
皆さんにはさらに、その音楽に対する自分の感情、演奏している時の心の動きにも意識を向けてみてほしいと思います。
教わったことを生かしながら、より主体的な音楽表現に近づけるはずです。
もう一歩 深い音楽を求めて、以上のような課題にチャレンジしてみてください。本選での演奏を一同とても楽しみにしています。

埼玉予選 金管楽器の部を終えて
11月14日、第18回の予選の最後を飾る金管予選が、東邦音楽大学 川越キャンパスで無事終了しました。
金管楽器は音量が大きいため、このコロナ禍においては他の楽器以上に自宅練習などが思うように出来なかったのではないかと思いますが、皆さん本当によく頑張っていました。
演奏レベルは他部門同様、年々高まってきていると感じています。だからこそ、皆さんにはもう一歩踏み込んで、自分が扱っている楽器のことを知って、演奏に生かしてほしい、という言葉が審査員の先生方からあがりました。
その楽器の得意な調や音域を知ること、そして楽器の特徴に合った選曲を心がける。
こうしたことに気をつけるだけでも、皆さんの頑張りがより一層引き立つ演奏ができるようになるはずです。
また、これはどの楽器にも共通することですが、管楽器を鳴らす上で必須のブレス、息の使い方、体の使い方についても、さらに意識して練習してほしいと思います。
高校生部門では、中学生に比べて身体も成長し、楽器の扱いにも慣れてきており、きちんと楽譜に書かれた音が並ぶようになっている反面、音楽表現の追求が足りないと感じる場面もありました。
演奏する上では様々な要素を要求されますが、自分の主張を音楽にのせて、聴く人に届けることを忘れないでほしいと思います。
これですべての部門の予選が終わり、12月の本選を待つばかりとなりました。
誰しも緊張する舞台ではあると思いますが、守りに入らず積極的に、のびのびと自分の音楽を表現し、楽しんで演奏してほしいと願っています。

本選審査結果のご報告

全部門審査統括委員長ご挨拶~本選を終えて~

ファゴット奏者 東邦音楽大学特任教授 演奏部長

Kouei Asano 浅野 高瑛

明けましておめでとうございます。 第18回中学生・高校生のための日本管弦打楽器ソロ・コンテスト本選を終えて、一言ご挨拶申し上げます。 まず、昨年12月24〜26日の3日間、東邦音楽大学 川越キャンパスにて滞りなく本選審査が終了したことをご報告いたします。 第17回においては、コロナ禍のため地方からの参加者の減少及び本選での授賞式も開催することもできませんでした。しかし今回、参加者はまだ例年に比べ少なめだったものの、授賞式も開催でき、活気溢れるコンテストの雰囲気を少し取り戻すことができましたこと、安堵しております。 また、遠方から大変な思いをしながらご参加いただいた皆様には、その熱意に感謝しております。 参加したすべての皆様に、改めてこの場をお借りし感謝申し上げます。 私自身、地方予選を含む全ての部門の演奏を聴かせていただきましたが、若い中学生・高校生の熱く、レベルの高いパフォーマンスに、こころを強く揺さぶられました。 参加される皆さんの演奏は毎年レベルアップしており、審査員の先生方からも 「自分達の若い頃には考えられないことが現実に起きていると」いう感嘆の言葉が多々聞かれました。 楽器の品質向上に加え、レッスンで指導されたことをとても忠実に生かせるテクニックが見えてくる演奏に、素晴らしい、との声が聞かれる一方、どの部門の審査員からも必ず出た言葉は「技術的にここまで出来るのに、残念ながら演奏する皆さん自身のこころがあまり見えてこない」というものでした。 つまり、指導者から与えられたものは忠実にやれているが、その先にあるその人自身の言葉、音楽が見えてこないということです。 たとえ技術が追いつかなくとも、自らの言葉で演奏しようとする人たちが見え隠れし、その演奏に強く共感を覚えるというのが、部門を超えて共通する意見でした。 テクニックは、自分のやりたい音楽を表現するために必要なものです。しかし、技術を高めるだけで終わるのではなく、その先の音楽を見つめて、更なる飛躍を望んでほしいと願います。 その先に、日本のこれからのクラシック界を変えていく原動力が生まれてくるのではないでしょうか。 若い皆さんに大いに期待したいところです。 来る1月23日には、東邦音楽大学 グランツザ-ルにおいて受賞記念コンサートが開催される予定です。 このコンサートが、受賞者の皆さんの更に高められた演奏のお披露目の場となることを期待しています。 そして次回のソロコンテストでも、たくさんの意欲ある皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

受賞記念演奏会・文部科学大臣賞選考会

本選において各特別賞を受賞された方は、受賞記念演奏会に出演することができます。また、各部門の「グランプリ/クリスタルミューズ賞」受賞者を対象に、演奏審査を行い、中学生部門、高校生部門各1名に文部科学大臣賞が授与されます。

日時 2022年1月23日(日)12:30開場 13:00開演
新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を踏まえて、感染予防・まん延防止の観点から、本学ではご来場の皆様と関係者の方々の健康と安全面を考慮し開催を中止する事といたしました。
会場 東邦音楽大学 グランツザール
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