中学生・高校生のための 第21回 日本管弦打楽器ソロ・コンテスト 本選審査結果について

2024年12月24日(火)から26日(木)の3日間にわたって、中学生・高校生のための第21回 日本管弦打楽器ソロ・コンテスト本選審査が東邦音楽大学川越キャンパス内の音楽ホール『東邦音楽大学グランツザール』にて行われ、滞りなく終了致しました。
審査結果につきまして、全部門審査統括委員長のメッセージとともに下記の通りご報告いたします。

全部門審査統括委員長ご挨拶~本選を終えて~

ファゴット奏者
ソロ・コンテスト審査統括委員長
東邦音楽大学特任教授 演奏部長

Kouei Asano
浅野 高瑛

新年明けましておめでとうございます。
去る12月24日~26日、「中学生・高校生のための第21回日本管弦打楽器ソロ・コンテスト」の本選が東邦音楽大学 川越キャンパス グランツザールにて滞りなく終了致しました。 本コンテストに関わるすべての皆様に、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
審査員からは、予選から甲乙つけがたい参加者が多く、本選でも審査がとても難しいとの意見が多く聞かれました。
コロナによる活動制限がなくなり、近年演奏レベルが上がっていることは、これまでもお伝えしてきた通りです。これはひとえに中学生、高校生の皆さんの日頃の努力の賜物だと思います。
学校生活の中で音楽と接する機会が短くなってきているにも関わらず、技術面での向上は素晴らしいものがあり、無駄のない効率のよい練習が出来ている証ではないかと思われます。
スポーツの世界をはじめ、日本の若者たちの素晴らしい活躍が羨ましくさえ感じていたクラシックの世界ですが、昨今変化の兆しが見え始めたことに喜びを感じています。
現在では、音楽を聴いたり、それに関わる情報をすぐ調べられたりと、身近なツールで簡単に学ぶことができ、こうした環境は素晴らしいものだと思います。しかし、こうしたデジタルツールとの付き合い方を考えてみてほしい
、という意見も審査員の皆さんから多く聞かれました。
たとえば、『演じて奏でる』ことが演奏であり、演じることはとても大切な要素であることは言うまでもありません。
しかし、演奏する上で『演じること』を過剰に優先してしまう傾向が、今回多く見られたように感じています。
音楽の歌い心とは別に、身体の『動き』が先行することにより、豊かな音楽づくりを妨げてしまうのではないか、と懸念しているのです。
これは、中学生・高校生の皆さんだけでなく、音楽大学の教育現場においても同様に課題となっています。
堂々とした舞台姿を確立することも重要ではありますが、演奏その根幹にあるのは「音」であることを決して忘れず、歩んでいってほしいと願っています。

このソロ・コンテストも来年で22回目となります。
このコンテストから音楽の世界で活躍するプレイヤーも数多く輩出してきました。 音楽界がより多様性に富み、発展していくことを祈りつつ、毎回ですがその一助になれたらとの思いも強くしております。
次回も中学生・高校生の皆さんの、音楽性豊かな、心からの演奏を聴かせていただけることを楽しみにしております。
最後になりますが、来る1月19日には、文部科学大臣賞の選考会を兼ねた受賞記念演奏会が、東邦音楽大学 川越キャンパス グランツザールにて開催されます。 参加される皆さんには、さらに磨き上げられたエネルギッシュな演奏を
期待しております。
間近ではありますが、たくさんの方々のご来場を心よりお待ち申し上げております。

本選審査結果のご報告

中学生・高校生のための
第21回 日本管弦打楽器ソロ・コンテスト
【本選結果】
審査委員一覧
弦楽器の部[24日] 中学生部門 ・ 高校生部門
打楽器の部[24日] 中学生部門 ・ 高校生部門
木管楽器の部[25日] 中学生部門 ・ 高校生部門
金管楽器の部[26日] 中学生部門 ・ 高校生部門

受賞記念演奏会・文部科学大臣賞選考会のご案内

本選において各特別賞を受賞された方々による、受賞記念演奏会が以下の日時に開催されます。また、各部門の「グランプリ/クリスタルミューズ賞」受賞者を対象に、演奏審査を行い、中学生部門、高校生部門各1名に文部科学大臣賞が授与されます。

日時 2025年1月19日(日)12:30開場 13:00開演
会場 東邦音楽大学 グランツザール
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