第17回 日本管弦打楽器ソロ・コンテスト【弦楽器の部・打楽器の部】本選審査結果発表のお知らせ

2020年12月24日(木)、日本管弦打楽器ソロ・コンテスト【弦楽器の部】および【打楽器の部】の本選審査が行われました。
結果につきまして、本選審査委員長のメッセージとともに下記の通りご報告いたします。

弦楽器の部 本選審査委員長メッセージ


NHK交響楽団首席チェロ奏者
東邦音楽大学特任教授
藤森 亮一

 本日はお疲れ様でした。
本選としては例年に比べ小規模ではありましたが、出場された皆さんはよく健闘されていたと思います。特に今年はチェロのレベルが高く、私もチェリストとしてうれしい思いでした。

 今年はコロナ禍においてどのように楽器や演奏と向き合っていけばよいのか、音楽に携わる誰もが模索した1年でした。練習環境やレッスン方法などへの様々な制限は現在も続いています。オンラインレッスンでのコミュニケーションの難しさもあるでしょう。すぐそばで先生の音や響きを感じながら学ぶに越したことはありません。狭い空間でずっと練習していると体や弓の使い方が小さくなってしまいがちですし、自分の音の聴き方、響かせ方も違ってきます。また、弦楽器はマスクをしたまま演奏可能、とはいうものの、鼻と口を覆っていることで音程や響きも感じにくくなります。

 今日の演奏においても、ホールの広い空間いっぱいに皆さんの音をもっと鳴らしてほしいと感じました。まだ難しい状況は続きますが、皆さんの楽器のいい響きや鳴らし方を追求し、工夫して練習していってほしいと願っています。

打楽器の部 本選審査委員長メッセージ


東京都交響楽団首席ティンパニ奏者
元東邦音楽大学特任准教授
安藤 芳広

 本選出場者の皆さん、大変お疲れ様でした。
審査員の先生方からいただいたご講評を合わせて、皆さんにお伝えしたいと思います。
まず、全体のレベルがとても上がっていることに驚かされました。難しい曲にも果敢に挑戦し、技術を高め、音楽を表現しようとする姿勢は素晴らしいと思います。そのような中で「自分の言葉で演奏しているかどうか」という点で差がついたのではないでしょうか。例えば、マリンバで四声帯を弾く時に各音のバランスを自ら作って弾きこんでいるか。スネアも同様ですが、自らフレーズを感じ取り、理解して演奏しているかなどです。

 今後の課題として、全体的に気になったのは身体の使い方です。楽器をよく鳴らすための重心移動や腕の使い方を研究したり、その音楽に合った動き方をしているか見直したりしてみてください。
楽器別では、スネアドラムは楽器のチューニング、特に響き線の締め方が気になりました。音の粒が見えにくい人が多かったので、ホールの響きに合わせた締め方を工夫しましょう。
マリンバは、フレージングに自ら発する音楽観を見せてほしいと強く感じました。そして鍵盤楽器だけでなく太鼓も学び、打楽器の基礎である腕や体の使い方、打点の捉え方などを勉強してほしいと思います。

 最後に、打楽器だけでなく様々な楽器やジャンルの音楽をたくさん聴いて、いろいろなビートや音楽を吸収してほしいと思います。勉強している過程の皆さんが今取り組むべき課題やトライする曲をよく吟味して、皆さんの音楽を育てるコンテストとしてこれからも挑戦してほしいと願っています。

本選審査結果のご報告

中学生・高校生のための
第17回 日本管弦打楽器ソロ・コンテスト
【本選結果】
審査委員一覧
弦楽器の部[24日] 中学生部門 ・ 高校生部門
打楽器の部[24日] 中学生部門 ・ 高校生部門
木管楽器の部[25日] 中学生部門 ・ 高校生部門
金管楽器の部[26日] 中学生部門 ・ 高校生部門

受賞記念演奏会・文部科学大臣賞選考会のご案内

本選において各特別賞を受賞された方々による、受賞記念演奏会が以下の日時に開催されます。また、各部門の「グランプリ/クリスタルミューズ賞」受賞者を対象に、演奏審査を行い、中学生部門、高校生部門各1名に文部科学大臣賞が授与されます。

日時 2021年1月24日(日)12:30開場 13:00開演(予定)
会場 東邦音楽大学 グランツザール

昨年の受賞記念演奏会出演者の皆様の記念写真