2020年12月26日(土)、日本管弦打楽器ソロ・コンテスト【金管楽器の部】の本選審査が行われ、3日間の本選審査全日程が滞りなく終了しました。
審査結果につきまして、全部門審査統括委員長および金管楽器の部本選審査委員長のメッセージとともに下記の通りご報告いたします。
全部門審査統括委員長メッセージ

ファゴット奏者
東邦音楽大学特任教授 演奏部長
浅野 高瑛
毎⽇⾒えない敵との戦いを強いられながらも、果敢にこのコンテストに挑戦してくれた全国の中学⽣、⾼校⽣の皆さんに、まずはブラボーと拍⼿喝采をお送りしたいと思います。
弦楽器、打楽器から始まり、⽊管楽器、⾦管楽器と 3 ⽇間を通じ、ここ東邦⾳楽⼤学のグランツザールにて、本選審査が滞りなく無事に終了致しました。感染拡⼤防⽌のため、参加者ならびにご来場者の皆様には⼤変ご協⼒を賜りましたことを深く御礼申し上げます。
各部⾨の終了後に⾏われる審査会議で、必ず出てくる⾔葉にテクニックの⾼さへの賛辞があります。中学⽣、⾼校⽣ともに年々技術的レベルが上がってきていることには驚きを隠せません。ただそうであるがゆえに、⾳⾊へのこだわりや、⾃らが発する⾳楽であるかどうかが強く問われています。今回の本選では、正確で⾼い技術とともに、こうした点がどれだけできているかということが成績を左右していたともいえるでしょう。
「⾃ら発する⾳楽」という点についてもう少し⾔及するならば、皆さんには、教えられたものをなぞった演奏をすることにとどまってほしくはないのです。もちろん、これが⾼度な要求であることはわかっています。指導されたものを模倣すること⾃体が初めは難しいことです。ただ、こうしたコンテストで⾃ら切磋琢磨しようとしている皆さんには、そこで満⾜してしまうことなく、⾃ら殻を破り、⾃分の内からの表現を追求してほしいと切に願っています。皆さんの⾔葉で、皆さんの⾳で発することにより、聴く者に⼤きな感動を与えるのです。皆さんにはその可能性が⼗分にあると思います。
最後になりますが、このコンテストの開催にあたってご協⼒いただきました多くの皆様に、⼼より御礼申し上げます。
第 18 回も参加者の皆さんとともにいい⼤会を作っていきたいと思っております。
どうぞよろしくお願い致します。
皆様、良いお年をお迎えください。
金管楽器の部 本選審査委員長メッセージ

東京アーバンブラスアンサンブル主宰
東邦音楽大学大学院講師
藤井 完
毎年出場者のレベルが上がってきていますが、今年の金管楽器の出場者も期待にたがわず高いレベルでの演奏を聴かせてくださいました。新型コロナの感染が拡大する中で、学校施設が使えず、自宅での音出しも制限されていたことでしょう。特に金管楽器は練習するのが大変だったことと思われますが、皆さん方の頑張りに拍手をお送りします。
演奏内容につきまして申し上げるならば、息の使い方についてであります。近年は少なくなってはきましたが、まだ若干の人たちの中に「歌う息」と「怒鳴る息」の区別がつかない例が見られます。金管楽器は声こそ出してはいませんが「歌うように」吹きます。このことがわかってくるとさらに楽しく演奏できると思います。
また、テクニック、音質・音色、表現力、どれが欠けてもすばらしい演奏にはなりません。これらの要素をバランスよく育ててほしいと思いますし、今日の自分の演奏はどうだったか、自分には何が足りないのかをもう一度見直して、向上してほしいと願っています。特に高校生には、技術的に育ってきているからこそ、もっと表現面に注目してほしいと思います。いい音楽とは、いい表現とは、ということに普段から意識を向けてみてください。
来年度のコンテストにおいても、レベルの高い演奏を期待しております。
本選審査結果のご報告
中学生・高校生のための 第17回 日本管弦打楽器ソロ・コンテスト 【本選結果】 |
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審査委員一覧 | |
弦楽器の部[24日] | 中学生部門 ・ 高校生部門 |
打楽器の部[24日] | 中学生部門 ・ 高校生部門 |
木管楽器の部[25日] | 中学生部門 ・ 高校生部門 |
金管楽器の部[26日] | 中学生部門 ・ 高校生部門 |
受賞記念演奏会・文部科学大臣賞選考会のご案内
本選において各特別賞を受賞された方々による、受賞記念演奏会が以下の日時に開催されます。また、各部門の「グランプリ/クリスタルミューズ賞」受賞者を対象に、演奏審査を行い、中学生部門、高校生部門各1名に文部科学大臣賞が授与されます。
日時 | 2021年1月24日(日)12:30開場 13:00開演(予定) |
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会場 | 東邦音楽大学 グランツザール |
- 昨年の受賞記念演奏会出演者の皆様の記念写真