S-19 世紀の巨大変奏曲(全3回) その3
20 世紀: ジェフスキ 《「不屈の民」変奏曲》


日時 9/7(土)(全1回)
14:00 ~ 16:30
会場 文京キャンパス
受講料 3,300円
*公開講座の入会金は不要です。
*受講料には、消費税が含まれております。
*定員に満たない場合は、開講できないことがございます。
*開講日程や時間については、変更になる場合がございます。
定員 50名
内容 変奏曲とは、ある主題を少しずつ装飾、変形させていくという、最も古くからある楽曲の形式のひとつです。ある種即興的に、無限に続けていくこともできる形式なのですが、そこに秩序やコンセプトを持ち込み、見上げるほどの大伽藍を築き上げた作曲家がいます。バッハ《ゴルトベルク変奏曲》(18 世紀)、ベートーヴェン《ディアベリ変奏曲》(19 世紀)、ジェフスキ《「不屈の民」変奏曲》(20 世紀)。各世紀を代表する演奏時間約 1 時間の巨大変奏曲を、各回一作ずつ取り上げ、その全容をお話と演奏によって紐解いていきます。最終回である今回は、ベートーヴェン《ディアベリ変奏曲》に匹敵する大作をという委嘱により、ポーランド系アメリカ人であるフレデリック・ジェフスキが 1975 年に作曲した《「不屈の民」変奏曲》です。チリの民衆の抵抗歌を主題とし、政治的なメッセージも含みますが、同時にバッハやベートーヴェンを超える巨大な構造を作ろうという意欲に満ち、変奏の数は 36 に及び、それは6 × 6 の、実に現代的でシンメトリックな構造を作ります。後期ロマン派から現代音楽、フォルクローレからミニマル・ミュージック、即興まで、20 世紀のあらゆる音楽シーンを包括しており、一曲聴いていただくことでまるまる“20 世紀そのもの”を体験していただける作品です。クラシックというジャンルを超えて人気の高い、記念碑的名作をお楽しみください。
目的 名作の演奏を楽しんでいただくと同時に、その成り立ちや背景についての話に触れていただくことで、より作品や音楽への理解を深めます。
講座日程 9/7(土)
第1部 「不屈の民」変奏曲についてのお話(約70分)

・ジェフスキという作曲家について
・「不屈の民」変奏曲 ― 作品の背景、人気を博す理由
・各変奏のシンメトリックな構成 ― 6 × 6 の構造

休憩 10分

第2部 講師による、「不屈の民」変奏曲の演奏(約60分)

持参物 簡単な資料を当日配布します。
担当講師 山田 剛史(やまだ たかし)
ピアニスト
国立音楽大学非常勤講師
東京学芸大学非常勤講師
東京藝術大学大学院修士課程を首席で修了、クロイツァー賞受賞。ローム ミュージック ファンデーションの奨学生としてケルン音楽大学に留学、国家演奏家試験に合格。クラウディオ・ソアレス、迫昭嘉、ニーナ・ティシュマン、アントニー・シピリの各氏に師事。2007年第5回東京音楽コンクールピアノ部門第 1 位および聴衆賞。ソリストとして秋山和慶氏指揮東京交響楽団はじめ共演多数。室内楽・歌曲伴奏にも定評があり、東京オペラシティ「B → C」、東京・春・音楽祭等に出演。古楽の基本理念を背景とした J. S. バッハの演奏解釈に定評がある一方、テッセラ音楽祭「新しい耳」でのジェフスキ《「不屈の民」変奏曲》、ベートーヴェン《ディアベリ変奏曲》といった大作の演奏が話題を呼ぶ。CD「モダン・エチュード」(レコード芸術誌特選盤)。国立音楽大学および東京学芸大学非常勤講師。秋吉台ミュージック・アカデミーにてマスタークラス講師。
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