S-20 グリーグのピアノ作品概論④ グリーグ《抒情小品集》


日時 9/14(土)(全1回)
14:00 ~ 16:00
会場 文京キャンパス
受講料 3,300円
*公開講座の入会金は不要です。
*受講料には、消費税が含まれております。
*定員に満たない場合は、開講できないことがございます。
*開講日程や時間については、変更になる場合がございます。
定員 50名
内容 グリーグが一生涯を通して書き綴った≪抒情小品集≫、各集毎にその時代背景・作音楽様式の変遷・グリーグの心情風景等を探りながらグリーグの音楽家としての形跡を辿るレクチャーコンサート(第4回目)晩年期編。
グリーグの≪抒情小品集≫第 8 集・第 9 集は 1896 年~ 1899 年にかけて作曲されました。晩年期に差し掛かった頃のグリーグは至福の時間を過ごしていたのでしょうか。豊かな自然に囲まれたトロルハウゲンの作曲小屋で、グリーグは多くの瞑想の時を持ち、これらの作品集はより穏やかなベールに包まれています。グリーグが主導した第 1 回ベルゲン音楽祭(1898 年)その成功、ノルウェー音楽作品への推進活動、フランスのドレフェス事件(1894 年勃発)等グリーグの人道的見解から不抜之志も伺えます。第 8 集(1896年)『青春の日々から』~『トロルハウゲンの婚礼の日』は、回想的な着想と民族リズムを駆使したピアニスティックな技法が特徴的で、グリーグ自身も高く自評しています。第 9 集(1898 年~ 1899 年)『水夫の歌』~『哀愁のワルツ』では詩的表現が盛り込まれ、平穏で温かい敬愛の情が感じられます。本講座では、グリーグ自身の演奏録音(Bergen Public Library 貯蔵資料)を基にグリーグ自身の演奏解釈についても言及いたします。また、各作品の演奏法について(曲の構成・ポイントとなる箇所や注意すべき箇所・演奏のイメージ・ペダルの踏み方・強弱等)、ピアノ演奏を交えながら説明します。最後に第 8 集・第 9 集全作品をピアノ演奏し、曲集としてのピアニスティックな響きを聴いて頂きます
目的 グリーグの≪抒情小品集≫全10集66曲を全5回に分けて取り上げ、作品・演奏解釈を深める公開講座です。グリーグの抒情小品集は、ピアノの教材、コンクール課題曲、そして演奏会でも多く取り上げられています。グリーグのピアノ音楽史を語る上でも、この全10集66曲に収められた作品を深く理解することは重要だと思われます。また、同曲集の演奏解釈を丁寧に行います。ピアノ学習者の方々に、少しでも役立てて頂けましたら幸甚です。
講座日程 9/14(土)
1.グリーグの抒情小品集について概要を解説
 西洋音楽史とノルウェー音楽史の関連性、グリーグの位置付け
2.第1 ~ 7集までの概要
3.第8集・第9集のピアノ演奏解釈
・グリーグ自身の演奏録音を基に現在の演奏法との比較分析
・グリーグの作品概論
 資料等を投影
4.コンサート
5.まとめと考察
6.質疑応答
持参物 筆記用具 グリーグ≪抒情小品集≫楽譜(必要に応じて)
担当講師 正木 文惠(まさき ふみえ)
国際エドヴァルド・グリーグ協会副評議委員、日本グリーグ協会理事長

武蔵野音楽大学ピアノ科卒業。オーストリア・ドイツにてウィーン国立音楽大学教授陣に師事。鳴門教育大学大学院及び研究生修了、同大助手在任中グリーグを研究する。退職後、お茶の水女子大学研究生として在籍、2000年にノルウェー政府奨学生として国立オスロ大学音楽学部に留学。現地にて、ピアノ・リサイタルをオスロ大学、オスロ在日本大使公邸、ムンク美術館、ドラメン市劇場ハルモニエンホール、及びトロルハウゲン夏の音楽祭(ベルゲン)に招聘されピアノ・リサイタルを行い好評を博す。ソロ奏者として、これまで日本、ドイツ、ノルウェーのコンサートに出演。共演者としては、ノルウェーの著名な音楽家 Bodil Victoria Arnesen(ソプラノ)、Elizabeth Tandberg(ソプラノ) 、 Jan Bjøranger(ヴァイオリン)がいる。CD「GRIEG PIANO WORKS」、「GRIEG VALEN JOHANSEN Nordic Piano Pieces -北欧ピアノ曲集-」、「Grieg Ballade~Solveig’s Song」をリリースし、タワーレコード渋谷店他で発売記念イベントを行う。「日本ノルウェー国交樹立100年記念」「オーロラの国の叙事詩」「グリーグ作品概論」「北欧の自然と音楽」「グリーグ没後110年記念」「北欧文化の音楽散歩」他多数のリサイタルを行う。一方、グリーグの研究論文が大学研究紀要、日本音楽学会誌、音楽雑誌等に掲載される。メディアにも多く紹介され、グリーグの解説者及びピアニストとしてNHK E-テレ、四国放送、FM眉山に出演、音楽雑誌(ぶらあぼ、レッスンの友、ムジカノーヴァ、Vivace)に活動記事及び≪抒情小品集Op.12-1≫の演奏解釈が掲載される。2023年、ノルウェー、ベルゲンで開催された国際エドヴァルド・グリーグ協会会議に参加。ピアノを本多万里子、村澤由利子、E.Dvorak、A.Yenner、P.B-Skoda、A.E.Riisnæs、E.S- Nøkleberg各氏に、グリーグの音楽学を故大束省三、大角欣矢、永原惠三、A.O.Vollsnes各氏に師事。元目白大学、元つくば国際短期大学非常勤講師。国際エドヴァルド・グリーグ協会副評議委員、日本グリーグ協会理事長、(社)全日本ピアノ指導者協会正会員。

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