東邦音楽大学 ピアノ専攻 木藤さん

研修期間2008年11月5日~11月19日

11月5日(水) 晴れ
ウィーン直行便ではなく、ミュンヘン経由で乗り継ぎし、夜アカデミーに到着した私たち。みんな疲れきった表情ですが…!明日からの素敵な日々を想像するだけで胸がドキドキ。皆健康でウィーンについて学んだり、ここでの空気をたくさん吸収して音楽を楽しみたいと思います。幸せな2週間でありますように…。


11月6日(木) 晴れ
午前、オーストリアの歴史と音楽について林千尋先生の講義が行われた後、ウィーン市内の見学に行きました。アカデミーから近くの世界遺産であるシェーンブルン宮殿は、総面積1.7km²の広大な庭園や、丘の上のグロリエッテ、動物園、そして1441室ある宮殿内の豪華絢爛 な部屋など、多くの見所がありました。ここでマリア・テレジアの末娘マリー・アントワネットの前で6歳のモーツァルトが演奏したと想像すると深い歴史を感じ胸が高鳴りました。


11月7日(金) 雨
今日は11日に鑑賞するヴェルディ作曲の歌劇「オテロ」について、林千尋先生の講義がありました。 オテロに振りかかる愛や憎しみ、嫉妬から繰り広げられる悲劇。第4幕、死の予感を感じたオテロの妻、デスデモーナが歌う「柳の歌」をCDで聴き、さらにオペラが楽しみになりました。 後半の授業は楽曲解釈についてです。時代背景によって変化していく音楽の奏法を学びました。勉強中のドビュッシーやバッハの演奏に生かしたいです。


11月8日(土) 雨/晴れ
今日は、コンチェルトハウスで行われたジェシー・ノーマンの演奏会へ行きました。彼女の素晴らしい歌声、そして伴奏のピアノは繊細で美しく、力強い音色。2人の創り出す音楽は、息ピッタリでまるで会話をしているかのように自然に流れ、記憶に残っていきました。伴奏を勉強している私にとって衝撃的で、「人を感動させる音楽」というものが、いかに深く、温かく素晴らしいものかということを考えさせられました。


11月9日(日) 晴れ
今日は1日空いていたので、みんなでカールスプラッツへ行きました。ウィーンの町のまさに中心にそびえるシュテファン寺院では、エレベーターで北塔を上り、塔の上からウィーンの景色を一望しました。ケルントナー通りは大道芸やダンスや歌などを披露している人がたくさんいて、さまざまな音が聴こえ、とても賑やかで日本の銀座のような印象を受けました。


11月10日(月) 晴れ
今日はマリアン先生のピアノレッスンの聴講に行きました。マリアン先生は、自分の音をよく聴くこと、また、その音をどう弾きたいのか頭の中でイメージして弾く事が大事だとおっしゃいました。私は、いつも自分の音を聴いているつもりでも聴けていなかったのでとマリアン先生のお話を聞き感じました。 「自分の音」ということにもっと意識を持って勉強しなければいけないと思いました。


11月11日(火) 晴れ
今日は待ちに待ったオペラ鑑賞の日です。日本食を堪能した後に、国立オペラ座へ向かいました。国立オペラ座のゴージャスな雰囲気の中、幕は上がりました。私たちは一瞬にして歌声とオーケストラの音色に引き込まれ魅了されました。素晴らしい歌が「オテロ」をいっそう盛り上げ感動へとつながりました。指揮者の偉大さというのも改めて感じました。心に残る1日でした。


11月12日(水) 晴れ
“今日はファン・ツァブナー先生のピアノレッスンがあるため、朝から練習です。最初のレッスンでファン・ツァブナー先生がおっしゃったテンポのことや指のことを集中的に練習しました。
お昼ごはんはいつも作って下さるスティールさんの料理です。今日はミートソースのパスタとアプリコットのロールケーキ。いつも美味しい料理に今日も完食です!スイーツ大好きな私たちは、今日も二つ目のケーキに突入です(笑)”


11月13日(木) 雨
今日は音楽史跡研究でベートーヴェンのハイリゲンシュタットの家や散歩道を散策しました。ベートーヴェンが教会の鐘の音で自分の聴覚を失ったと気付いた時、どんな思いで音楽と向き合ったのかと考えると、胸が痛みました。お昼はカフェ・モーツァルトで美味しいウィーン料理やケーキを食べ、美術史美術館へと向かいました。林千尋先生が分かりやすく絵画について説明してくださり、自分の知識の足りなさを恥ずかしく思いました。日本に帰ったら神話や歴史について勉強しようと思いました。


11月14日(金) 晴れ
今日は、ファン・ツァブナー先生のピアノ教育法「幼児・子供のため」の講義を受けました。ファン・ツァブナー先生は、私たちに「ピアノを始めた理由」や「ピアノをやっていなかったら何の楽器をやっていたか」など、1人ずつと会話するように、とても楽しい雰囲気でした。基礎練習がいかに大切かを学びました。夕方は友達とカフェ巡りをしました。ウィンナーコーヒーや、生クリームのたくさんのったアインシュペナー、名物ザッハトルテなどを堪能し、至福のひと時でした!!


11月15日(土) 晴れ
私が今回ウィーンに持ってきた曲は、ドビュッシーの「アナカプリの丘」という曲。ファン・ツァブナー先生は「もっとメロディーをよく聴くこと」「ペダルを踏むタイミングを細かく定め、音色を変えたい理由を持つこと」「意味を理解して弾くこと」 などについてを、とても情熱的に教えてくださいました。私たちの質問にも丁寧に答えてくださって、レッスンの時間はとても楽しかったです。修了演奏会では自分がどう弾きたいのかを改めて考え、この地ウィーンで吸収した全てのことを思い出しながら楽しく演奏ができました。

11月16日(日) 晴れ/雨
今日は朝7時からザルツブツグヘ研修に行きました。モーツァルトの住居や、モーツァルトが洗礼を受けオルガン奏者も務めた大聖堂、旧市街などを周りました。ゲトライデガッセの通りのモーツァルトの生家にはモーツァルトが使用した楽器や、自筆の楽譜や手紙、一家の肖像画などが展示されていて、モーツァルトの生涯に少しだけ触れることができました。


11月17日(月) 晴れ
日本帰国の前日、今日は最後の自由行動の日ということで、大掃除の後、お昼頃からみんなでカールスプラッツの日本人にオススメと言うレストランへ行きました。ウィーン名物のカツレツ、シュニッチェルやパスタやピザやザッハトルテなどの美味しい料理を食べ、最後のウィーンでの食事に大満足でした。その後はウィーン第一の繁華街ケルントナー通りでお土産を見たり、美術館へ行ったりと充実した1日を過ごしました。


11月18日(火) 晴れ
午前9時半、ウィーン空港に向かうためアカデミーを出発しました。この旅で私は一生忘れない貴重な日々を送ることができました。たくさんのことを学び、感じ取り、何よりも音楽と真剣に向き合った2週間は宝物で、私たちの中で輝き続けます。日本に帰ったら、勉強しなければいけないことがたくさんあるので、これからも努力して頑張りたいです。先生方、家族、友達に感謝の気持ちで一杯です。 ありがとうございました。


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