東邦音楽短期大学 器楽専攻 ピアノコース 山本さん

5月8日(月)
12時間のフライトを経て、現地時間の夜8時頃ウィーン国際空港到着。空港からバスに乗り、2週間過ごす、東邦ウィーンアカデミーへ。
お世話になる林夫妻が夜遅い時間にも係わらず、暖かく出迎えてくださり、また、アカデミーの素敵な外観や、部屋から見える景色が素敵であったりと、これから始まる生活に非常に胸が高鳴ります。

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[ 飛行機からの景色 ]

5月9日(火)
午前中はドイツ語やウィーンの歴史、文化についての講義でした。お昼を挟み、午後からは現地のガイドの方に案内をしていただき、ウィーンの市内研修へ。ハプスブルク家の住まいであったシェーンブルン宮殿やベートーヴェンやシューベルトが眠る中央墓地など、今迄、世界史の教科書やテレビの中でしか見た事が無かった憧れのウィーンの景色を目の前で見る事が出来、なかなか寝付けなかった程、夜まで興奮と感動の熱が冷めませんでした。

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[ シェーンブルン宮殿 ]
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[ 中央墓地 ]

5月10日(水)
午前中は、オペラの解説やアナリーゼの授業。
午後は、練習をしたり近くのスーパーへ買い物に行き、夕方から今回の研修の第1回目となるレッスンへ。
レッスンは2人の先生、それぞれ2グループに分かれるグループレッスン方式で、私はツァブナー先生のグループになりました。先生は、子ども向けの指導も専門にされている方で、教本を何冊も書かれているということもあり、私たちに対する教え方も独特なものでした。曲の旋律を口ずさみながら、またはリズムを刻みながら歩いてみたり、リトミック的要素が入っていたり等、とても興味深く、面白いレッスンでした。私の場合は今迄やってきた形、椅子の高さやピアノとの距離の取り方等、そういったもの全てを変えることになりました。なかなか慣れず苦しかったですが、先生には変えた方が俄然良いと言われたので、研修中なるべくその形を意識して弾くように心がけました。

5月11日(木)
朝から、音楽史・文化史体験として、午前中はハイリゲンシュタットのベートーヴェン所縁の地を、午後はカールスプラッツにある、ウィーン美術史美術館やシュテファン大聖堂を巡りました。
ベートーヴェン所縁の地では、彼が実際に歩いた小道や訪れていた教会の周りを歩き・空気や景色を通して“彼がここに生きていた”ということを実感し、これまでも彼のいくつかの曲を弾き、数多くの曲を聴いてきたけれど、また一歩、彼に近づけたような、そんな気持ちになりとても嬉しかったです。
ウィーン美術史美術館は、入り口を中心として「イタリア / スペイン / フランス絵画」と「オランダ / ドイツ / フラマン絵画」と2つのエリアに分かれていて、どちらからも楽しめるようになっていました。その中でも特に、ブリューゲルに関しては収蔵作品数が世界最大で「農家の婚礼」や「子供の遊戯」など、この場に来ないと見る事の出来ない貴重な絵画を多く観ることが出来、美術好きの私にとっては至福の時間でした。
また、この日のお昼はウィーンでもかなり歴史のあるカフェ「Café Mozart」にて、こちらに来て初めての本場のザッハトルテを食べる等、欧州ならではの甘味も堪能する事が出来ました。

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[ シュテファン大聖堂 ]

5月12日(金)
夕方から2回目のレッスン。初回で言われたピアノとの距離や感覚、曲のイメージを大いに膨らませ、1つの物語を作る等を意識して臨んだところ「とても良くなった」と言って頂き、素直に嬉しかったです。また、自分の頭や身体で考えてから音を出す、ごくごく当たり前のことだけれど、いかにその行為が大事か、重要かを再認識し、これからも気をつけていければと喝が入りました。

5月13日(土)
夜、ウィーン国立歌劇場(シュターツオーパー)にて、今回の研修のメインイベントの一つでもあった、オペラ「エフゲニー・オネーギン」の観劇。字幕はあったものの、やはり英語・露語、共に難しく、事前に学んだ粗筋と登場人物の表情や歌の雰囲気で内容を理解することに必死でした。しかし、ドレス等の正装をして豪華な劇場でオペラを観るという、海外では当たり前だが日本には無いカルチャーの中に入り込むことが出来たような気がして、非常に幸甚でした。

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[ エフゲニー・オネーギンのチケット ]

5月14日(日)
朝、早起きをして、アウグスティーナ教会で行われるオーケストラの生演奏付きのミサに参加しました。私は、クリスチャンではないけれど、西洋音楽とも深い関わりのあるキリスト教には以前から興味が有り、是非一度、本場のミサへ参加をしたいと思っていたので、良い機会でした。天井が高く、コーラス隊の歌声や楽器の音が天から降ってくるような、そんな感覚に陥る程、美しく神聖なミサでした。
夜は、コンツェルトハウスにて、バレンボイム指揮によるウィーンフィル特別演奏会。豪華な装飾が素晴らしいホールで人生初となるウィーンフィルを現地(本場)で聴くことが出来たこの夜を、きっと私はこの先もずっと忘れない。その位に、最高に贅沢で幸せな時間でした。

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[ アウグスティーナ教会 ]
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[ コンツェルトハウス ]

5月15日(月)
同室の先輩も私もレッスンが無く、1日オフだった為、午前中に練習をし、午後から、ウィーン楽友協会やウィーン市庁舎のあるリンク周辺の散策をしました。歩いて見つけたカフェでお茶をしたり、楽友協会の周りにある著名な音楽家たちのサイン探しをしたり、お土産を購入したりしました。特に目的は決めずに歩いていたからか、ガイドブックには載っていないような、小さな素敵なお店やカフェを見つけたり等、ウィーンの街を存分に堪能する事が出来ました。

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[ ウィーン市内を散策 ]

5月16日(火)
朝食後に、それぞれ各階毎に部屋やトイレ、お風呂場の掃除。レッスン授業ともに無かったので、前日に遊んだ分、練習をしたり、午後は、レポートの準備として今まで足を運んだ場所の資料、写真の整理や情報収集をしながら大まかな纏めを進めました。

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[ ウィーンの夕焼け ]

5月17日(水)
最後のレッスンとゲネプロがあり、ゲネプロ後に修了証を頂きました。夕食後には、ツァブナー先生による「幼児・子どもの為のピアノ教育法」の授業。今回、ピアノ専攻は全員女性という事で、“女性”が教える音楽についての講義を受けました。私たちの年齢の人に教えるように、小さな子どもにも教える事が出来る、その教え方のバリエーション等、指導者コースではないものの、自分の知識と音楽に関する教養において、大いに実りあるものとなりました。

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[ ツァブナー先生と ]

5月18日(木)
修了演奏会の日。ウィーンで過ごしたこの2週間近くの間に、私なりに感じた空気や音楽観を、緊張はしたものの、“自分のピアノ Brahms”を表現できたのではと思います。演奏会修了後は、美味しい紅茶とケーキでお疲れ様会という名のTea partyをし、レポートを完成させ提出して、夜はアカデミー近くのレストランへ。屋外の雰囲気が素敵なお店で、スペアリブやウィーンの伝統的なデザート等、豪華な料理を堪能しました。

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[ レストランにて ]

5月19日(金)
この日は朝7:00にアカデミーを出発し、有名なミュージカル「Sound of music」の舞台にもなったザルツブルクへ。終日見学研修。オーストリアに行くのであれば、一度は足を運びたいと思っていた場所でもあったので、長いバス移動は少し辛かったけれど、楽しく充実した1日でした。
大きな湖や広い空、沢山の緑に囲まれた、まるで絵本の中のような風景等、ウィーンに比べると少し田舎で、落ち着いた印象を受けたけれど、ずっとそのような街中で生活をしていたからか、そんな景色がとても心地良かったです。
また、この日の食事は3食共にレストランで、その中でも特に印象に残っているのが、昼のお店で出てきた、ザルツブルク名物の「ザルツブルガーノッケルン」です。アルプス山脈に見立てたメレンゲのお菓子で、正直、味はしつこく甘かったけれど、見た目のインパクトが凄く、私が外国へ行く際に大切にしている「その国ならでは」を体験できたような気がして非常に嬉しかったです。
ザルツブルクは、W.A.Mozartの故郷ということもあり、モーツァルトハウスや、彼が洗礼を受けたと言われているザルツブルク大聖堂にも足を運びました。特に大聖堂は内観、天井の絵画や建築がとても繊細で美しく、足を踏み入れた瞬間、息を飲む、とはこのようなことだと思いました。

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[ ザルツブルクにて ]

5月20日(土)
午前中は自由行動だった為、最後に一目見ておこうとシェーンブルン宮殿へ。初めて訪れた際は、団体行動だった為、あまりじっくりと見る事が出来なかったので、綺麗な薔薇が咲く庭や、桂殿簡宮な宮殿を目に焼き付け、お土産を購入し、帰宅。午後は、2週間お世話になった練習室やレッスン室、部屋の掃除や荷物の整理をして、翌日の朝早い出発に備えました。

5月21日(日)
早朝にアカデミーを出発し、昼頃にウィーンを出発しました。経由地のアムステルダムでは、5時間程度の待ち時間があった為、お土産を購入したり、カフェで休憩をしました。日本へ帰りたくない、ウィーンに残りたいという気持ちが強くあり、行きよりも長く感じた帰りの飛行機。この2週間、毎日、涼しい風や青々とした緑、色々な楽器の音色が聴こえてくる生活で、こんな毎日がこの先もずっと続けば良いのにと思う程、オーストリア、ウィーンは本当に天国のような場所でした。
また、このウィーン研修は、大学は必修だが短大は選択で、強制されて行くのではなく、自分で決めて行くという形だった事が、より自由な気持ちで研修に臨む事が出来た理由の一つかもしれません。
今後は、この研修で得た多くの事を自分の音楽生活にどう活かしてゆくか、試行錯誤を繰り返しながら、日々精進していきたいです。

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[ アムステルダムの空港にて ]

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