研修期間2009年5月20日(水)~6月3日(水)
5月20日、天候にも恵まれウィーンへと旅立ちました。初めての海外ということもあり、なかなか実感が湧きませんでした。それに加え、レッスン受講曲の完成度も低く、不安を抱えたまま、ウィーンに到着しました。
ウィーンの第一印象は「とても静かな街」です。日本のような騒々しさは無く、時間の流れ方もゆっくりとしていました。 そして迎えたレッスンの日、私はシューベルトの『即興曲作品90-3』を弾きました。私が一番気にしていたメロディと伴奏のバランスについて、マリアン先生は「しっかり区別して弾けている。」と褒めて下さいました。その上で、自分の中で曲のストーリーをイメージして弾くようにとアドバイスして頂きました。中でも「この音は死をイメージしているから、墓場からゾンビが出てくる場面だよ」と、曲のストーリーを想像しやすく説明して下さったのが強く印象に残りました。日本で練習している時は、曲のイメージを漠然としか理解していませんでしたが、曲を一つの物語として考えられるようになり、自分の奏でる音楽に自信を持てるようになりました。修了演奏会も、ほど良い緊張感の中、満足できる演奏になりました。
レッスン以外では、中央墓地やモーツァルトの生まれたザルツブルグ等を訪れました。また、オペラ鑑賞では小澤征爾が指揮を振る『エフゲニー・オネーギン』を観劇しました。厚くて包み込まれる音に身を委ね、本場の音楽を堪能することができました。
今回のウィーン研修では、西洋音楽の生まれた時代背景や文化を肌で感じることができました。ウィーンで見てきた景色や感じたことを、自分の演奏に反映させたいと思います。音楽の都ウィーンで過ごした二週間は、かけがえのない宝物となりました。