2008年度東邦音楽大学卒業 宇地原さんの卒業演奏旅行レポート

2008年度東邦音楽大学卒業 宇地原さんのレポート

期間 :
2008年10月15日~10月22日
場所 :
オーストリア

大学四年生の大イベント、卒業演奏旅行に行ってきました。

6泊8日で、オーストリア第二の都市「グラーツ」、街全体が世界遺産に登録されているスロヴァキア共和国の首都「ブラチスラヴァ」、とハンガリー共和国の「ブダペスト」の三ヵ国です。今回はどういう旅になるんだろうと興奮しそうな気持ちを抑えつつ、成田空港を飛び立ちました。

さぁ、ウィーンに着き1日目は、体を休める為空港近くのホテルに泊まり、旅行のドキドキ感に浸っていました。でも、それはこれから始まる旅の、ほんのささやかな休息の時間だったとは思ってもみませんでした。次の日から本番まで、朝昼夜と練習付けで、翌日の朝も早くからだったので、睡眠があまりとれず、すごく寝不足でした。練習会場までのバスの移動などで体も疲れてしまい、きつかったですね。今回参加する演奏会は、グラーツにある「シュテファニーザール」にて行われました。曲は、ロッシーニの「スタバトマーテル」です。四月から練習に励んできましたが、正直演奏旅行が始まるまでコンサートへの緊張感がなく、いまいち演奏に集中することができませんでした。けれど、本番が近づくにつれて、このままではいけないという焦りと不安で一杯になり、開演ギリギリまで一生懸命練習しました。「スタバトマーテル」の他、女声合唱では日本の雰囲気を味わってもらえるよう「さくら」を歌い、この曲もまた、練習では納得のいく演奏はできませんでしたが、みんなが一つとなって一生懸命歌ったので、本番では一番の出来だったと思います。

今回の演奏でとても大変だったのは、全体の音程が安定しなかったことです。何度練習しても音程が下がってしまったり、慣れないドイツ語の発音に苦戦したりと、練習中私は「これで大丈夫なのか」と不安でしかたがありませんでした。ですが「やるしかない」と気持ちを切り替え本番に挑みました。いざ本番が始まると私は緊張の中、練習してきたことを思い出しながら、また演奏を楽しもうと思いながら歌っていました。みんなもそうだったと思います。すると、練習では上手くいかなかったところも何とかクリアしていました。私は、歌いながらびっくりしていました。だんだんと緊張もほぐれ、お客さんの様子を見たり、会場の雰囲気を楽しむ余裕が出てきて演奏後は、やり遂げた達成感で一杯でした。こんな経験はそう滅多にないと思います。私達はこのような素晴らしい経験をすることができ、幸せだなと感じました。この演奏会に関係するすべての方々に感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとうございました。そして、この演奏旅行に参加したことで、東邦音楽大学に来て本当に良かったなと、この四年間を振り返ることができ、人生で貴重な時間を過ごすことができたなと思いました。

練習風景

練習
練習風景。建物の中はお洒落で、また、音の響き方も学校の教室とは違っていて、とても歌いやすかったです。でも、自分たちの声がよく聞こえてきた時に気付いたのが、ズバリ音程の悪さでした。それはそれは自分が音痴になった気がして恥ずかしかったです…オーケストラやソリストの方と合わせての練習の時は、皆さんに申し訳ない気持ちで一杯でした。トホホ。

楽屋

楽屋
本番前の楽屋の様子。浴衣に着替えて緊張感を高めながらもどこかリラックスモード。本番で使う紙風船などで遊んでいました(笑)私は友達のヘアリストとなってパタパタと大忙しでした。何人のヘアアレンジをしたのか覚えていないほどです。

演奏会場の街

演奏会場の街
本番会場のすぐ外は、賑やかな街でどこを見渡してもきれいな建物が並んでいました。古いからこそ美しいという美的感覚はどこの国にもあるのかなと思いました。街の人たちはモデルのように手足がすらっとしていてきれいでした。私もそのスタイルが欲しい…

観光
やはり初めて行く街や初めてみる景色はとてもよかったです。日本とは違った建物がその土地、国の歴史や文化を表わしていて写真で見るよりも、実際に自分の目や肌で感じる方が感動も大きかったです。時間があまりなく、ゆっくり観光できなかったのが残念です…

パーティー

パーティー
演奏会も無事終え、この演奏旅行の打ち上げパーティーをしました。みんなドレスアップしてとても可愛かったです。かなりのハイテンションで写真をたくさん撮ったり、踊ったり、歌ったり、旅の疲れを感じさせない程の大盛り上がりでした。藤井先生の歌声も聴くことが出来て大満足でした。

学生のレポート

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