東邦ウィーンアカデミー教授ルネ・スタール先生による公開講座が行われました。

2018年11月6日(火)、13日(火)に、本学のウィーンアカデミー教授で元ウィーン・フィルハーモニーのヴァイオリン奏者であられた、ルネ・スタール先生が、2年ぶりに東邦のキャンパスを訪れ、学生達にレッスンをしてくださいました。
スタール先生は作曲家としても活躍しており、今回の来日も自作曲を演奏するオーケストラを指揮するためでした。


ルネ・スタール先生

大学の3、4年生、大学院生は、すでに本学3年次で行われるウィーン研修でスタール先生のレッスンを受けています。それぞれ再会を喜び、ウィーンでの出来事を思い出して話している先生を見ていると、東邦の学生のことをよく考え、親身に指導してくださっている様子が伝わってきました。

●11月6日(火)文京キャンパス
午前中の附属の中学生、高校生の公開レッスンの後、大学院生3名のレッスンが行われました。
 

 

テレマンの無伴奏作品のレッスンでは、古典曲の様式や形式についてのお話し。楽譜には表記されていない、その時代特有の表現や弾き方を教えてくださいました。
またサラサーテの「バスク奇想曲」では、伴奏者に代わって自らピアノを弾き、スペインのリズムを体感させてくださいました。ヴァイオリンで哀愁漂うメロディーを奏でてくださったり、通訳の林先生とお二人で立ち上がって、フラメンコ風に踊りださんばかりのポーズをしたり。楽しいレッスンでした。
熱気のあるレッスンで、あっという間に時間が過ぎていきました。

●11月13日(火)川越キャンパス
スタジオBで、大学生4人の公開レッスンが行われました。
 

 

 

 

それぞれ時代や形式の異なる受講曲で、色々なことを学ぶことができました。
ヴィエニャフスキーの「華麗なるポロネーズ」では、ポロネーズというポーランドの踊りについてお話しくださいました。フレーズの終わりに書いてあるリタルダンドは、くるっと回るところ。書いてある通りに演奏しないと踊れなくなる、と楽譜に忠実に弾かなければならないことを確認させられました。
ブラームスのソナタでは、音色のこと、付点の音符の長さについて考えさせられました。
メンデルスゾーンとチャイコフスキーの協奏曲では、前期ロマン派と後期ロマン派の違いを説明してくださり、それぞれの良さを再確認いたしました。
技術的に難しいパッセージで音程のなかなか合わないところでは、スケール練習が大切と説き、「カールフレッシュの音階教本を1日2時間半、2年間練習し続けなさい。」との勧めに学生達は「無理です!」と言いながらも、最近はスケールに取り組む人が増えたような気がします。

スタール先生の、エネルギッシュなレッスンから、受講生も聴講生も沢山の事を学び、それぞれ自分の課題を見つけることが出来たでしょう。ウィーンの音、音楽に触れ、またウィーンに行きたくなった人もいるようです。日常のレッスンや練習に、刺激が与えられたことに感謝いたします。

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