世界の第一線で活躍するテノール 石特任教授の公開講座を終えて

今や世界の主要なオペラ劇場が、その出演を心待ちにするテノール歌手シ・イジェ(石倚潔)。その経歴には A.ゼッダ、Z.メータ、M.ハンペ、G.d.モナコを始め名だたる指揮者、演出家の名が並びます。
今回ご多忙の中、11月8日(火)、オンラインでの公開講座が実現しました。

テノール2人(中国からの留学生)、ソプラノ2人(日本人学生)が緊張した面持ちながら、憧れの先輩のレッスンを受けました。
時が経つのも忘れるほどの充実した心満たされる講座となりました。

石教授のアドバイスは分かりやすく、声楽の技術、語感を活かした歌い方、声楽表現に必要な事を話して下さいました。
世界の舞台に立つ歌手達の息遣いが伝わる教えに、アドバイスを受けた学生の歌は目に見えて生き生きと変化していきます。石教授の歌声に惹きつけられ、一瞬にして多くを感じ取っていく貴重な機会となりました。

最後には、東邦音楽大学卒業生、大学院修了生である石教授が、学生時代どのように学んだかなど後輩に学びの姿勢を伝えてくださいました。
それは、丁寧に聴き、丁寧に楽譜を読み、丁寧に学ぶことの大事さです。

石教授の温かな眼差し、音楽に向き合う妥協のない姿勢、リラックスした中にも漂う心地良い緊張感から多くを学び、刺激を受けた素晴らしい講座となりました。
石教授、本当にありがとうございました。心より深く感謝致します。

山崎明美(声楽専攻主任 特任教授)

東邦ミュージック・フェスティバル2022にてパフォーマンス総合芸術文化専攻(PACS)の学生がライブを開催しました。

2022年10月8日、9日東邦音楽大学川越キャンパスにて「東邦ミュージック・フェスティバル2022~愉しき旋律(たのしきうた)」が開催されました。

今年PACSでは、1年次生、3年次生、4年次生が8日にそれぞれ公演を行い、各学年ともメッセージ性の高い、個性溢れる堂々としたパフォーマンスが披露されました。
また、会場の受付や舞台設営、音響照明など、さまざまな制作スタッフとしての役割を2年次生が中心となって行いました。

パフォーマンス総合芸術文化専攻には、「舞台に立つ人」「プロデュースする人」双方の学びの場があります。
各学年の公演ではその学びが生かされ、実践されていることを感じました。
それでは、3つの公演の様子を写真とともに紹介いたしましょう。

まずは、1年次生の初舞台となった「Dyed~プロローグ~」が16号館スタジオAにて行われました。
企画構成台本、演出、振付、衣裳も学生が自ら手掛け、学生が自ら編集した映像とともに、初舞台とは感じさせないパフォーマンスを披露しました。
また、短大シンガーソングライター・アーティスト専攻の1年次生もゲスト出演し、ソロ曲とPACS学生との共演による心地よいハーモニーでお客様を魅了しました。
公演を行った会場の設営にも例年にない工夫がみられました。
メインステージとサブステージが作られ、それを花道でつなぐというアイデアにより、普段は合奏などの授業で使われることの多いスタジオが一変してライブ会場の雰囲気に包まれました。

続いて、会場は変わり、川越市の「都市景観重要建築物」として指定も受けている「三室戸記念館」のホールで4年次生の公演が行われました。
タイトルは、LET’S MUSIC SHOW~明日への旋律(ハーモニー)。
今回、テレビ番組の生放送というコンセプトで構成されていて、学生がMC、アーティストとして出演し、自身の考える平和への想いを歌に込めてお送りしました。
予定していた座席数を超える多くのお客様が来場され、急遽座席の追加も行われました。
カバー曲をはじめ、この公演のために書き下ろされた楽曲の披露も多くあり、音楽を通して平和で愉しい明日が来るよう願いを込めたステージをメンバー全員で創り上げました。
約1時間の公演ではありましたが時がたつのが早く感じられ、MCの学生の雰囲気も相まって会場全体がとても温かい空間となりました。
公演の最後には、重大発表として、来年2月にグランツザールで開催する公演の告知も行われました。
この2月の公演は卒業制作として取り組むもので、是非多くのお客様に来場いただき、4年次生の集大成の公演を見届けていただきたくお願いいたします。

最後は、個性豊かで、才能あふれる3年次生の公演がスタジオAにて行われました。
タイトルは「PACS LABO」。
パフォーマンス総合芸術文化研究所(PACS LABO)の研究員として、ロック&ポップス、昭和歌謡、オリジナル曲、アニメ、映画音楽、クラシックなど各自がさまざまなジャンルの音楽を研究し披露するというコンセプトで構成されていました。
3年次生は自身の得意とする楽器を演奏する学生も多く、バラエティーに富んだ感動的なパフォーマンスを披露してくれました。
パフォーマンスに合わせて流れていた学生制作による映像にもとても目を惹かれました。

各学年の公演を行うにあたり、制作スタッフとしてお客様のご案内や音響、照明など、本番を成功させるには欠かすことのできないさまざまな役割を2年生が中心となって果たしてくれました。

今回のPACSの3つの公演、多くのお客様にご来場いただき、無事に終了することができました。
いずれの公演も終始温かい雰囲気の中、パフォーマンスをさせていただき、出演した学生は勿論のこと制作スタッフとして関わった学生たちにとりましても大きな経験になったことと思います。この場をお借りし皆様に御礼申し上げます。

最後にPACSの学生は、ユニットまたは個人で積極的にライブ活動等も行い研鑽を積んでおります。
今後とも引き続き応援いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。