卒業論文発表・学内実習発表を行いました

音楽療法専攻の3・4年生は、音楽療法にまつわるテーマを自分で設定して論文を書いていきます。1年間かけてじっくりと執筆したものを音楽療法専攻全学年の前で発表します。
2021年1月25日に論文発表会が行われました。

今回は、音楽療法専攻4年生の篠田琴音さんに、論文執筆と発表についての感想を述べてもらいました。

「私は『日本における少年院での矯正教育の一環としての音楽療法介入の可能性~日本と米国の比較からみる非行少年の発達課題に配慮をした矯正教育の必要性~』というテーマで卒業論文を執筆しました。
テーマからわかるように私の研究では「少年院」「矯正教育」「非行少年」が主なキーワードでした。そのような分野について大学で詳しく習うことはありません。そのため、自分自身で専門外の分野について学ぶ必要がありました。とても大変であったのと同時に、挑戦でもありました。そして日本の文献だけでは研究しきれず、全文英語の論文を読むことにも挑戦しました。それらだけでも苦しみましたが、今度はそれをどう自分の研究に活かすのか、どう論を説き進めていくのか考える必要があります。一筋縄ではいかないことも多く、苦しい、やめたい、でもやらなきゃいけない、でもやりたくない、そんな葛藤の日々でした。しかし苦しいことばかりではなく、新しい発見や学びがあることが私にとっては非常に楽しいものでした。
執筆が終われば今度は発表です。膨大な時間をかけて完成させた論文を、数分しかない発表時間で他者に伝える必要があります。伝えたいことはたくさんあるのに、すべてを詳しく発表することはできないもどかしさや、伝えることの難しさを改めて実感しました。
卒論執筆にあたりたくさんの「挑戦」「葛藤」を経験しました。それらを通して自分の研究テーマに関する知識を得たことはもちろんですが、改めて自分がどのような人物なのか知ることができました。私が卒論執筆で苦しんだ理由の多くは、無意識に完璧を求めていたことや、正解がない研究結果を書くことに恐怖心を抱いてしまっていたことでした。そのような自分の性格に気づくことができたのは、社会人になる前の大きな収穫だったと思います。そして今後も、日本の社会問題の解決や音楽療法の発展のために、様々なことに興味を持ち、学び続けていきたいと強く思いました。」

篠田さんをはじめ、3・4年生全員が自分の力を出し切って取り組んでいました。発表を聴いた1・2年生にも、とても良い刺激になったと感じています。  木下容子