音楽療法専攻の定例研究会をハイブリッド形式(対面とオンライン)で行いました。
音楽療法専攻では、2021年3月29日に定例研究会を行いました。平田紀子先生が「遠隔セッションに沿った活動の工夫と伴奏法」と題してご発表下さいました。コロナ禍、対面の人数を最小限にするため、Zoomによるオンライン参加も取り入れたハイブリッド形式で実施しました。オンラインでは、在学生のみならず卒業生も参加してくれました。
今回、音楽療法専攻3年生の木村紗彩さんが参加の感想を述べてくれました。
「コロナ禍における成人・高齢者を対象とした遠隔セッションについて、平田紀子先生からお話をいただきました。コロナ禍におけるセッションの現状から、オンラインでの伴奏の聴こえ方、聴き取りやすい伴奏法、さらに対面セッションで制限される歌唱活動をどう効果的に行うか等、多様な切り口からお話しいただきました。昨年度から大学の実習にて遠隔セッションを実施しており、私も何度か見学させていただいていました。コロナ禍という学生も先生方も初めての環境で手探りの中で掴んだ手ごたえを、今回とても分かりやすくまとめて教えていただきました。
お話の中で私が見学実習から感じたこととリンクして印象深かったのは、音楽療法で関わる人の「心を動かす」ことでした。見学実習の際に、遠隔セッションに対する施設のスタッフさんの反応として挙げられたのは、いち早く遠隔セッションを受け入れていただけたこと、施設側が楽器を用意してくださったことや、利用者様に聞こえにくかった言葉を通訳してくださるなど全面的にサポートしていただけたこと、そして音楽療法の時間が利用者様にとってもスタッフさんにとってもよい刺激やリフレッシュになっていると言っていただけたことなどでした。今回平田先生のお話を伺って、このような協力的な反応をいただけることは決して当たり前のことではないと感じました。緊急事態に優先度が下がるのではなく、いざというときこそ求められるような「心を動かす」音楽療法は、以前から長い時間をかけて先生方、先輩方が築き上げてきた信頼と充実したセッションの賜物だと感じました。
今年度から私自身も実習が始まりますが、コロナ禍にこそ必要とされるようなセッションができるよう、今回学んだことを活かし、先輩方や同期の仲間達と切磋琢磨しながら探求心を忘れず取り組んでいきたいと思います。」
今年度も音楽療法の実習はほとんど遠隔セッションですが、学生たちの意欲はすでに高まっていて、実習の開始を待ちわびています。
木下容子