「2014年度 音楽創造専攻 自主公演」を開催しました。
平成27年3月14日(土)、音楽創造専攻生による自主公演が開催されました。同専攻は「作曲コース」と「メディアデザインコース」の2コースから成りますが、両コース合同の自主公演は、今回で2回目となりました。プログラムの企画から広報活動、会場準備、当日の案内係などの運営管理にいたるまで、すべて学生が主体となり取り組んだ本公演は、「常設展示」と「作品発表会(演奏会)」の2会場で展開されました。
「Music Forest~創造の春~」と題された常設展示では、学生の課題作品を展示。教員から与えられた主題をもとに作曲するという課題(コード作曲)作品や、自身で収集した写真素材及び自作曲の音源を合わせ、スライドショー作品に仕上げるという課題(スライドショー制作)作品などを、来場者が自由にコンピュータ上で閲覧できるよう展示しました。
常設展示会場。同専攻生が案内係となって、来場者の方々へコンピュータやタブレット端末の操作方法なども説明していました。
案内係の学生の説明を受け、作品鑑賞をする来場者の方。
ほかに、仮想オーダーに見合うゲーム音楽を制作するという課題「ゲームミュージック制作」の作品をタブレット端末で聴けるブースも用意。さらに、設置されたスクリーンでは、4年生の卒業制作や同専攻生が出演した卒業代表演奏会の映像・音源が流されました。
ゲーム音楽、着信音の作品に加え、
川越署より依頼を受け同専攻生が制作した、防犯抑止のために地域を巡回する「青パト(青色回転灯装備パトロール車)」搭載の音源も紹介。
「春~舞い降りた挑戦状~」と題された作品発表会(演奏会)では、同専攻生による楽曲を、本学のピアノ専攻、管弦打楽器専攻の学生が演奏するというものでした。
第一部では、教員たちによる「モチーフ(主題)」をもとに、学生が作曲した作品を披露。文字通り、教員からの「挑戦状」ともいえるモチーフをいかに発展させ楽曲に仕上げるか。そのユニークな試みに、さらに、同じモチーフを扱った場合もコンセプトによりまったく異なるイメージに仕上がる面白さに、会場のお客様からは盛大な拍手が送られました。
井上淳司准教授からの挑戦状(モチーフ)を受けて立つ学生の心境やいかに!?
荻久保和明特任教授によるモチーフ。教授のイメージを超える作品に出会えることを、教授も期待!?
佐倉 繁特任准教授によるモチーフ。譜面の余白に学生はどんなメロディーを刻み込むのでしょうか?
長生 淳講師によるモチーフを題材にした作品を学生2名が発表。同じモチーフでも作風はそれぞれに・・・・・・!
先生からのモチーフをもとにつくり上げた作品についての解説も作曲者自らが行いました。
第二部は、4年生による作品発表。研究の集大成ともなる楽曲を、奏者として協力してくれた他専攻生たちの誠意あふれる演奏を通じて発表できたことに、発表者の学生はみな、感無量の表情を見せていました。
「Divertimento」
(作曲:音楽創造専攻メディアデザインコース4年 小田海南)
「Spiengel des Denkens 『鏡のなかの鏡-迷宮-』より」
(作曲:音楽創造専攻メディアデザインコース4年 島崎智徳)
「トロンボーンの為の四重奏」
(作曲:音楽創造専攻作曲コース4年 杉山佑貴)
「サクソフォンとピアノの為の協奏曲」
(作曲:音楽創造専攻作曲コース4年 杉山佑貴)
公演開催を通じて学生が得たものは大きく、今後の自身の研究活動、次回の同公演に向けてますます意欲が沸いてきたようです。
「自分たちの作品に対するお客様の反応を見ることができたり、コミュニケーションをとれたりしたことが、次の作品制作に活かせると考えています。」(メディアデザインコース1年 桑原美咲)
「『展示+演奏会』という形態で多彩なコンテンツを発表できたことで、この専攻で研究している内容を伝えられたのではないかと思います。奏者の方々と今後も交流を続け、次回はまた違う企画をしていきたいです。」(同公演制作進行リーダー・作曲コース3年 宮原弘美)
平成26年3月にご退官された小島佳男先生(同年4月に名誉教授に就任)。音楽創造専攻生一同から、同専攻でのこれまでのご指導への感謝の気持ちと花束が贈られました。
4月29日(祝・水)、30日(木)開催の学園祭「東邦祭」においても、展示などを通じて、音楽創造専攻生による作品を発表いたします。同専攻にご興味をお持ちの方、「音楽にかかわる幅広い分野での『つくり方をつくる』」という研究にご関心をお持ちの方は、ぜひ東邦祭におこしください。