本学グランツザールにて「南古谷ウインド・オーケストラ 第5回定期演奏会」が開催されました。

7月12日(土)、東邦音楽大学グランツザール(本学川越キャンパス)にて、埼玉県文化振興基金助成事業 結成10周年記念コンサート 「南古谷ウインド・オーケストラ 第5回定期演奏会」が開催されました。

「南古谷ウインド・オーケストラ」は、埼玉県川越市の南古谷地域子どもサポート委員会と本学との連携によって平成17年に発足しました。南古谷地区及び近隣の4つの中学校を中心に、高校生、地域住民、本学管弦打楽器専攻の学生とで大編成された吹奏楽団で、学生は各パートの指導も行っています。また、本学の加古 勉先生(大学大学院教授)、溝口哲矢先生(東邦第二高等学校講師)、百瀬太智先生(東邦音楽大学実技演奏研究員)が全体の指導および指揮を行っています。

現在約150名もの団員が在籍し、定期演奏会に加え地域での演奏会にて活動しており、平成26年には長年にわたる活動が評価され、埼玉県より「埼玉・教育ふれあい賞」が授与されました。

今年は同オーケストラが結成10年を迎える年。記念すべき回となった今回の演奏会当日は、”お天道様”も10周年をお祝いしてくれたのか、”梅雨の合間の快晴”となり、例年以上に多くのお客様がご来場くださいました。

ご来場されたお客様を会場でまずお迎えするのは、お揃いのオリジナルTシャツを着た団員の中学1年生たち。入り口のそばでニ列に向かい合って並び、受付を通るお客様を「こんにちは!」と笑顔で迎え入れました。

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楽団に参加してまだ数ヶ月の中学1年生がお客様をお迎えします。

同楽団長であり川越市自治会連合会南古谷支会 支会長を務める櫻井 晶夫氏による、「これからも東邦音楽大学の協力を得ながら、川越に『音楽』という文化を育んでいけるような活動を続けていきたい」との挨拶で、演奏会は開幕しました。

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南古谷ウインド・オーケストラ 櫻井 晶夫楽団長

第1部は、吹奏楽の名曲「鷲の舞うところ」をはじめ、4曲が演奏されました。中学生や高校生の団員たちからは大学生と同じステージに立ち、大勢のお客様の前で演奏することに、緊張しているような、あるいは貴重な機会を楽しんでいるような、いろいろな表情が伺えましたが、演奏は皆同様に全力を尽くし、ソロ・パートが披露されるごとに、そして各曲の演奏終了後には、お客様から大きな拍手が送られました。

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オープニング曲を演奏する南古谷ウインド・オーケストラ。舞台上でひしめき合うくらいの団員数ですが、
狭いスペースでも各団員が最高の演奏ができるよう配慮し合っていて、チームワークも抜群!

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白いシャツブラウスを着ているのは各パートを指導する本学学生たち。
赤いベストのユニフォームを着用した中学生、高校生たちを練習でも本番でもしっかりサポート。

第2部は、同オーケストラでの指導経験のある本学卒業生、また在学生、高校生以上の楽団員による演奏をお楽しみいただきました。本学管弦打楽器専攻生による小太鼓トリオが演奏した「ハスケルの暴れん坊」では、会場のお客様も曲に合わせて手拍子を鳴らし、会場にいる全員が演奏に参加しているような一体感に包まれました。

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本学卒業生がユーフォニアム独奏、サクソフォン独奏で見事な演奏を披露してくれました。

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小太鼓ソロ・トリオで活躍したのは、本学管弦打楽器専攻生たち。
華麗なばちさばきに、会場は大盛り上がり!

第3部は再び南古谷ウインド・オーケストラが登場。ここからは、団員全員がピンクのオリジナルTシャツ姿で登場し、舞台上は一気に明るいムードに。そんなムードにふさわしく、「ジャパニーズ・グラフィティXVI 坂本冬美メドレー」など多くの方になじみのある曲を披露すると、手拍子や体を揺らしてリズムをとるお客様が大勢見受けられました。

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団員全員がピンクのお揃いのTシャツで登場した第3部のステージ。
華やかな演奏、見事な”決めポーズ”にお客様から拍手の嵐が!

アンコールでの「祭-YAGIBUSHI Brass Rock」の演奏時は、ご来場されるお客様を元気に迎え入れた中学1年生たちが客席通路に並び、演奏に合わせてダンスを披露。会場はさらなる盛り上がりを見せました。アンコール2曲目となった「Believe」は、会場のお客様にも合唱で参加していただきました。

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客席通路でダンスを披露してくれた中学1年生たちの演出がステージ上の先輩たちをさらに
パワーアップさせてくれたのか、より一層元気な音色がグランツザールに響き渡りました。

結成10周年を迎え、南古谷ウインド・オーケストラは団員が増えただけではなく、オーケストラとしても着実にスキルアップ、成長しています。今回の演奏会の舞台に立った中学生、高校生たちがすべての演奏を終了した後に見せた表情は、大勢のお客様に喜んでいただける演奏技術を習得できていることの喜びや誇りを感じさせるものでしたが、彼らの成長は、彼らを指導、サポートしている本学学生、教員にとっての喜び、誇りでもあります。

櫻井楽団長が挨拶で述べられたように、川越に音楽という文化を育むための活動に本学も貢献できることを願っております。さらに、そういった活動を通じて、同オーケストラの中高生のように、音楽は人に大きな喜びとともに成長ももたらしてくれることを多くの方々に伝えてまいります。

最後になりましたが、この演奏会のためにグランツザールに足をお運びくださいました皆様に、心より御礼申し上げます。

◆プログラム

[第1部] 
演奏/南古谷ウインド・オーケストラ
S・ライニキー: 鷲の舞うところ
田嶋 勉: 4つの季節の詞(ことば)より
久石 譲 Arr.後藤 洋: となりのトトロ~コンサートバンドのためのセレクション~
酒井 格: たなばた

[第2部]
ユーフォニアム・ソロ/鶴澤 綾(東邦第二高等学校 講師)
 P・スパーク: ユーフォニアム協奏曲より

サクソフォン・ソロ/奈良 美里(東邦音楽大学 研究員)
 R・カーペンター Arr.森田 一浩: 青春の輝き

小太鼓トリオ・ソロ/下村 和葉、近藤 夏子、宗石 月海
(いずれも東邦音楽大学 管弦打楽器専攻生)
 P・ヨーダー: ハスケルの暴れん坊

[第3部]
演奏/南古谷ウインド・オーケストラ
 J・ザビヌル Arr.福田 洋介: バードランド
 Arr.星出 尚志: ジャパニーズ・グラフィティXVI 坂本冬美メドレー
 Arr.星出 尚志: スーパーカリフラジスティックエクスピアリドーシャス
 和泉 宏隆 Arr.真島 俊夫: 宝島

<アンコール>
 Arr.福田 洋介: 祭-YAGIBUSHI Brass Rock
 杉本竜一: Believe