2023年度 第3回音楽療法定例研究会の感想

 2024年3月14日に開催された定例研究会では、知的発達症・神経発達症の音楽療法における『楽器や教材』について、音楽療法専攻の飯島千佳研究員にお話しをいただきました。使用する楽器や教材の工夫や配慮点、機能を実例とともに学ぶことが出来る貴重な時間でした。
 音楽療法に使用する楽器や教材は、「理解しやすくする」、「操作しやすくする」、「行動を促進・持続させる」という大きく分けて3つの機能があると学びました。実際に教材を体験してみて、誰が使っても分かりやすく、そしてついつい触ってしまうような仕掛けが施されていて、楽しいものばかりでした。自然と手が伸びてしまうような魅力ある教材だからこそ、音楽療法の対象となる児童たちの注目や集中が得られ、行動が引き出せるのだと実感しました。ただその一方で、魅力的すぎると対象児への刺激が大きすぎてしまうという点が、楽器や教材作成の難しい点であると気が付くことが出来ました。
 今回の定例研究会では、音楽療法士の方々がどの様な効果を引き出すために、どのような点に留意して教材を作成・使用しているのか、生の声を聞きなら知ることができ、非常に有意義な時間となりました。私も今後の音楽療法実習で教材を用意する機会があったときには、今回学んだ機能を意識しつつ対象児にとって適切な教材作成に取り組んでみたいと思います。

(音楽療法専攻3年 川田美遥)