音楽療法専攻の受験を考えている人へ

音楽療法専攻の受験を考えている人へのアドバイスとしては、まず、音楽療法関係の本を何冊か読むことをおすすめします。推薦図書を以下に挙げておきます。これらの本の全てに一応は目を通して、音楽療法とは何なのか、自分が将来取り組む仕事としてどうか、ということをよく考えてみていただければ幸いです。いくつかの本には、付録としてCDやDVDがついているので、それを聴いたり見たりすることで、現場の状況がイメージできると思います

1)音楽療法士のしごと 生野里花(春秋社)
 著者がどのようにして音楽療法に出会い、それを仕事とするようになったかが正直に描かれていて、読みやすく、また大変興味深い本です。最初に読むとよいかもしれません。

2)音楽療法士3つのオキテ 二俣泉(音楽之友社)
 職業としての音楽療法について書かれた本です。これも、読みやすい本です。

3)音楽療法の実践 加藤美知子ら(春秋社)
 高齢者、精神科、終末期ケアの音楽療法の実際について、具体的に書かれています。また、実践場面を録音したCDも添付されています。

4)音楽療法の設計図 二俣泉(春秋社)
 発達障害の子どもの音楽療法について書かれた本です。この本も、実践場面を録音したCDが添付されています。

5)DVDブック 歌の翼に―緩和ケアの音楽療法― デボラ・サーモン著 生野里花訳(春秋社)
 終末期の患者さんへの音楽療法のドキュメンタリーDVDと、その解説本のセットです。本に掲載されている論文は、少し専門的かもしれませんが、DVDはだれがみても圧倒的に説得力のある素晴らしいものなので、ぜひご覧になることをおすすめします。

このブログを執筆している私(東邦音楽大学の音楽療法専攻、准教授の二俣と言います)は、音楽療法士として病院や福祉施設などで音楽療法の実践をしてきました。私自身は、音楽療法士という仕事を大変気に入っております(その理由については、上記に挙げた私の著書「音楽療法士3つのオキテ」に書いてあります)。なので、一人でも多くの人たちが、この分野に挑戦してくれるとうれしいなあ、と強く思っています。