埼玉大会印象記

少し前になりますが、昨年11月27日に、日本音楽療法学会関東支部が企画する地方大会(埼玉)が開催されました。この大会は、関東支部の各県が毎年持ち回りで開催する大会です。埼玉県は、2020年11月に開催する予定でしたが、コロナの影響で1年延期となり、2021年11月の開催となりました。対面(直接会場に来て学ぶ)とオンラインのハイブリッドを予定しておりましたが、残念ながら対面は難しく、発表者のみ会場に集まり、参加者はオンラインになりました。
私は、研究員の飯島千佳さんと運営に携わりました(発表された学生さんと先生方の詳細は過去ダイアリーをご参照ください)。オンラインとはいえ、発表者は会場に集まるため、ハイブリッドに近い形の運営です。専門業者が入らない中、詳しい先生方のお知恵をたくさん頂き、また、Wi-Fi環境を整え、さらに何度も事前練習をしました。が、当日は予期せぬことが多々あり、参加者の皆さんにたくさんご迷惑をおかけ致しました。今まで経験したことのない緊張感と焦燥感がありましたが、オンラインの向こう側にいる参加者の皆さんから多くのヘルプとご意見を頂き、みんなで一緒に会を作っているという雰囲気になり、それがとても助かったし、嬉しかったです。また、埼玉県でご活躍されている音楽療法士の皆さんが実行委員として運営に携わってくださったのですが、皆さんとの交流や埼玉愛を深めることができました。学校と地域の実践現場、そして音楽療法士が今後ますます、一層、さらにつながったり深まったりできたらいいな、そんなことを感じる大会でした。
(高畑敦子)


写真は、左:研究員の飯島千佳さん 中央:高畑敦子先生 右:ミュージックセンター講師の和田京子先生

第19回日本音楽療法学会関東支部地方大会(埼玉)で口演発表しました

音楽療法専攻4年生の鎌倉萌菜穂です。
前回の日本音楽療法学会学術大会に引き続き、昨年執筆した研究論文の第二報を「第19回日本音楽療法学会関東支部地方大会(埼玉)」に応募したところ、採択され口演発表の機会をいただきました。

無観客オンラインでの開催でしたが、発表者や運営委員の方々など関係者は会場にいらしたため、私にとって学外で初めての対面発表の場でした。
今回は、前回のポスター発表とは異なり、実際にPowerPointのスライドを操作しながら行う口演発表に挑戦しました。それに伴い、スライドに話す言葉を合わせて、聞き手が聞きやすく、理解しやすい発表を目標に準備・発表をしました。zoomの画面越しでは、参加者のビデオがオフになっており、表情など見ることが出来ないので反応が分からないことを不安に感じていました。しかし、少人数とはいえ対面で表情が見られ、雰囲気も感じ取れる会場の空間があったことが、安心感につながりました。

また発表後、対面で聞いてくださった先生方からの言葉を直接聞くことができたことが1番の財産になり、非常に有り難く、嬉しかったです。改めて、激励の言葉をかけてくださった先生方、本当にありがとうございました。
発表後は、オンラインで参加することができました。zoomに接続できる媒体や環境があれば、何処からでも参加することができることが、オンライン開催の良い点だと思いました。

学生にとって学会の大会は、大学の学びとは少し異なった学びの場であり、「興味の幅が広がるな」と参加するごとに感じています。また私が発表したのが、学生等の音楽療法ビギナー向けの枠でしたので、同世代からの良い刺激をいただくことができました。これを糧に今後も音楽療法を学び、研究・実践していきたいと思います。

最後に、様々なアドバイスをしてくださり、発表当日も温かく見守ってくださった先生方、研究協力をしてくださり発表にも同意してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

第19回日本音楽療法学会関東支部地方大会(埼玉)が開催されました

落ち葉が舞い散る季節となった2021年11月27日、第19回日本音楽療法学会関東支部地方大会(埼玉)がオンラインで開催されました。

本大会は、対面とオンラインのハイブリッド開催が直前まで検討されていましたが、感染症拡大防止の観点からオンラインのみでの開催となりました。
発表者だけが浦和にある埼玉会館に集まり、そこから配信する運びとなりました。

大会シンポジウム「職業としての音楽療法を確立するために」には、本学の二俣泉先生が指定討論者、私木下容子が進行役として登壇致しました。
音楽療法士の多様な働き方や価値観を参加者と共有し、非常に有意義な時間となりました。
オンラインでの参加者からは<チャット機能>を使って質問を受けたため、対面と変わらぬ熱量で活発な討議が繰り広げられました。

本大会には、音楽療法専攻の学生も口演発表者として登壇致しました。
追ってご報告させて頂きます。

木下容子

第21回日本音楽療法学会学術大会でポスター発表しました

音楽療法専攻4年生の鎌倉萌菜穂です。
昨年執筆した研究論文を、第21回日本音楽療法学会学術大会のポスター発表に応募したところ、採択されて発表する機会をいただきました。
今回の学術大会も、例年と異なりWeb開催でしたので、PowerPointを通しての発表となりました。

学会での発表が初めてであった私にとって、この準備期間は挑戦と苦悩の連続でした。
その中でも1番の挑戦は、「発表を決断したこと」です。1年前の私は、学術大会で発表するということは考えてもいませんでした。
しかし、先生方からお声を掛けていただき、この研究が他の音楽療法士や音楽療法を学んでいる方に対して、少しでもお役に立てれば…という想いで、挑戦することにしました。
今回Web開催にあたって工夫した点は、「抄録(1,600文字以内)によりわかりやすい文章でまとめること」、「情報をPowerPointに、よりコンパクトにまとめること」です。
ポスター発表なので、スライドに音声を入れることができず、図と文章だけで情報をお伝えしなければなりませんでした。
わかりやすい文章や見やすいスライドとはどのようなものか、何度も頭を悩ませました。
しかし、考えれば考えるほどアイディアが生まれたり、客観的に見ることができたりと、悩むことも決して悪いことばかりではなかったと、今になって感じています。(その時は投げ出したくなるほど、悩むこともありましたが…)
発表を経験してみて、『何事にも挑戦あるのみ!』この言葉に尽きると思います。いつもつまずくところはどこなのか、悩むポイントはどこなのか、文章構成に対しての考えなど、更に自分自身と向き合えた気がしています。また、締め切りに追われながらも限られた時間の中で、どのように時間を作って作業をするか、計画が上手くいかない時にどのように修正していくか、を学べたよい機会でした。

最後に、様々なアドバイスをしてくださった先生方、共に頑張った同期や励ましてくれた後輩、研究協力をしてくださり発表にも同意してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

第21回日本音楽療法学会学術大会がWebで開催されます

コロナ禍、私たちの生活は大きな影響を受けていますが、音楽療法の世界も多分にその影響を受けています。毎年秋頃には、日本音楽療法学会主催の学術大会が開催されていました。そこで音楽療法士たちは、学術大会に参加し、研究成果を発表し、久しぶりに会う音楽療法士仲間とその土地の美味しいものを頂きながら近況報告したりして語り合う、というのが通例となっていました。

今年新潟で開催される予定であった学術大会は、会場開催とWeb開催のハイブリッドを予定していましたが、今般のコロナウィルス感染状況を鑑みて完全Web開催に変更されました。それでも、音楽療法専攻の学生たちは、昨年度完成させた論文を大会に応募し、見事採択されました。オンデマンド用の発表用資料を作成したことで、対面での発表ではないものの大きな学びがあったようです。今は、開催される日を心待ちにしています!

高齢者施設での「オンライン実習」のご報告

コロナ禍で対面での音楽療法実習は難しい状況にありますが、これまで行ってきた高齢者デイサービスの実習では、施設のスタッフの方々のご協力を受け「オンライン実習」を昨年度より実施しています。

施設と学校をZoomで繋ぎ、遠隔にてセッションを実施し、歌唱活動・楽器や身体活動など、対面のセッションと変わらぬ内容やコミュニケーションを目標に、学生たちが日々工夫をこらしています。

画面越しにご利用者様との音楽による交流・対話ができ、励みや学びとなっています。より聴き取りやすく伝わりやすい音楽提示を目指します。

平田紀子

音楽療法専攻の定例研究会をハイブリッド形式(対面とオンライン)で行いました。

音楽療法専攻では、2021年3月29日に定例研究会を行いました。平田紀子先生が「遠隔セッションに沿った活動の工夫と伴奏法」と題してご発表下さいました。コロナ禍、対面の人数を最小限にするため、Zoomによるオンライン参加も取り入れたハイブリッド形式で実施しました。オンラインでは、在学生のみならず卒業生も参加してくれました。

今回、音楽療法専攻3年生の木村紗彩さんが参加の感想を述べてくれました。
「コロナ禍における成人・高齢者を対象とした遠隔セッションについて、平田紀子先生からお話をいただきました。コロナ禍におけるセッションの現状から、オンラインでの伴奏の聴こえ方、聴き取りやすい伴奏法、さらに対面セッションで制限される歌唱活動をどう効果的に行うか等、多様な切り口からお話しいただきました。昨年度から大学の実習にて遠隔セッションを実施しており、私も何度か見学させていただいていました。コロナ禍という学生も先生方も初めての環境で手探りの中で掴んだ手ごたえを、今回とても分かりやすくまとめて教えていただきました。
お話の中で私が見学実習から感じたこととリンクして印象深かったのは、音楽療法で関わる人の「心を動かす」ことでした。見学実習の際に、遠隔セッションに対する施設のスタッフさんの反応として挙げられたのは、いち早く遠隔セッションを受け入れていただけたこと、施設側が楽器を用意してくださったことや、利用者様に聞こえにくかった言葉を通訳してくださるなど全面的にサポートしていただけたこと、そして音楽療法の時間が利用者様にとってもスタッフさんにとってもよい刺激やリフレッシュになっていると言っていただけたことなどでした。今回平田先生のお話を伺って、このような協力的な反応をいただけることは決して当たり前のことではないと感じました。緊急事態に優先度が下がるのではなく、いざというときこそ求められるような「心を動かす」音楽療法は、以前から長い時間をかけて先生方、先輩方が築き上げてきた信頼と充実したセッションの賜物だと感じました。
今年度から私自身も実習が始まりますが、コロナ禍にこそ必要とされるようなセッションができるよう、今回学んだことを活かし、先輩方や同期の仲間達と切磋琢磨しながら探求心を忘れず取り組んでいきたいと思います。」

今年度も音楽療法の実習はほとんど遠隔セッションですが、学生たちの意欲はすでに高まっていて、実習の開始を待ちわびています。

木下容子

卒業論文発表・学内実習発表を行いました

音楽療法専攻の3・4年生は、音楽療法にまつわるテーマを自分で設定して論文を書いていきます。1年間かけてじっくりと執筆したものを音楽療法専攻全学年の前で発表します。
2021年1月25日に論文発表会が行われました。

今回は、音楽療法専攻4年生の篠田琴音さんに、論文執筆と発表についての感想を述べてもらいました。

「私は『日本における少年院での矯正教育の一環としての音楽療法介入の可能性~日本と米国の比較からみる非行少年の発達課題に配慮をした矯正教育の必要性~』というテーマで卒業論文を執筆しました。
テーマからわかるように私の研究では「少年院」「矯正教育」「非行少年」が主なキーワードでした。そのような分野について大学で詳しく習うことはありません。そのため、自分自身で専門外の分野について学ぶ必要がありました。とても大変であったのと同時に、挑戦でもありました。そして日本の文献だけでは研究しきれず、全文英語の論文を読むことにも挑戦しました。それらだけでも苦しみましたが、今度はそれをどう自分の研究に活かすのか、どう論を説き進めていくのか考える必要があります。一筋縄ではいかないことも多く、苦しい、やめたい、でもやらなきゃいけない、でもやりたくない、そんな葛藤の日々でした。しかし苦しいことばかりではなく、新しい発見や学びがあることが私にとっては非常に楽しいものでした。
執筆が終われば今度は発表です。膨大な時間をかけて完成させた論文を、数分しかない発表時間で他者に伝える必要があります。伝えたいことはたくさんあるのに、すべてを詳しく発表することはできないもどかしさや、伝えることの難しさを改めて実感しました。
卒論執筆にあたりたくさんの「挑戦」「葛藤」を経験しました。それらを通して自分の研究テーマに関する知識を得たことはもちろんですが、改めて自分がどのような人物なのか知ることができました。私が卒論執筆で苦しんだ理由の多くは、無意識に完璧を求めていたことや、正解がない研究結果を書くことに恐怖心を抱いてしまっていたことでした。そのような自分の性格に気づくことができたのは、社会人になる前の大きな収穫だったと思います。そして今後も、日本の社会問題の解決や音楽療法の発展のために、様々なことに興味を持ち、学び続けていきたいと強く思いました。」

篠田さんをはじめ、3・4年生全員が自分の力を出し切って取り組んでいました。発表を聴いた1・2年生にも、とても良い刺激になったと感じています。  木下容子

音楽療法専攻オリエンテーションと定例研究会をオンラインで行いました。

新型コロナウイルスの影響により開催が延期されていた音楽療法専攻オリエンテーションと定例研究会を、9月27日にオンラインで開催しました。
オリエンテーションでは、学生と教員が簡単に自己紹介し、東邦ならではのアットホームな雰囲気でした。
その後の定例研究会は、昨年度卒業生の牛田悠貴さんのご発表でした。その内容について、4年生の遠藤環さんが感想を書いてくれました。

「卒業研究論文の執筆についての経験談や所見について、卒業生の牛田悠貴さんからお話を頂きました。11月に行われる卒業研究中間発表に向けて、意識すべき点やモチベーションの保ち方など実際の経験をお話しくださいました。
昨年先輩方が臨床実習や音楽療法士(補)試験と並行しながら、論文執筆に取り組む姿を近くで見ていたからこそ、論文を書き上げることの大変さは認識していたつもりでしたが、今現在実際に取り組む中で予想以上に悩んだり行き詰まったりすることが多く、改めて自分自身との闘いであることを実感しています。
お話しいただいた中でも、『言語化に慣れる』という点は音大生ならではの課題であると感じました。私たちは言葉にできないことやニュアンスを音や音楽として扱い、他者から受け取ったり逆に届けたり、コミュニケーションを図ったりします。頭の中にあるものを音楽に変換してアウトプットすることに慣れているからこそ、言葉を用いて他者に何かを伝えることに躓きやすいと考えます。研究を進める中で得た知識や情報を自分の中で理解したりそれぞれを繋げられたりしても、読み手が考察に結び付けられなければ“良い論文”とはならないので、研究の先にある“何が読み取れてどのようなことが考えられたのか”ということを誰が読んでも理解し納得できるよう、推敲を重ねながら丁寧に取り組んでいくべきだと感じました。
お話しいただいた内容は卒業研究だけでなく、3年次に取り組む学内研究発表にも活かせることであり、1,2年生も研究テーマの選び方やどのように研究を進めていくのかなど、大枠を捉えられ今後の参考になったのではないかと思います。これから中間発表、本発表、資格試験と卒業に向け段々と忙しくなっていきますが、同期と助け合い励ましあいながら今回学んだことを活かし、それぞれの目標に向け日々努力していきたいと思います。 音楽療法専攻4年生 遠藤環」

どの学年の学生たちも、後期も頑張っています!!  木下容子

日本音楽心理学音楽療法懇話会に学生たちが参加しました

タイトル:日本音楽心理学音楽療法懇話会に学生たちが参加しました

現在、感染症対策として、音楽療法の勉強会などはオンラインで行われることが多々あります。2020年7月8日に「日本音楽心理学音楽療法懇話会」のシンポジウムがありましたが、これもオンラインで開催されました。
本学の音楽療法専攻の学生たちもたくさん参加しましたが、その中で3年生の鎌倉萌菜穂さんが参加した感想を書いてくれました。

「今回、初めてオンラインで日本音楽心理学音楽療法懇話会に参加しました。シンポジウムのテーマに沿って感想を書いていきたいと思います。
まず、『音楽療法がわからない』では、3名の先生方の話題提供を聞いて、私もテーマのような気持ちを持ったことがあることを思い出しました。もしかしたら、この気持ちは音楽療法を学ぶ者が皆通る道なのではないかと思います。しかし、音楽療法に足を踏み入れたばかりの私たち学生の思う「音楽療法がわからない」と、実際に様々な経験をされ、研究をされてきた先生方が仰る「音楽療法がわからない」は、質の違うものであると感じました。音楽療法はわからないものだからこそ、学び続けて研究していくことが必然的で重要なのかもしれません。
次に、今の社会に関連した『コロナ共生時代の音楽療法』というテーマで参加者も含めた討議をしました。私もこのご時世でどのように音楽療法を実施しているのか気になっていたので、オンラインでのセッション、野外でのセッションの実施等、どれも興味深いお話でした。私は、コロナの影響で音楽療法の形態に変化が生じることは、基本対面式で行う音楽療法には悪影響ばかりだと思っていましたが、音楽療法の多面性を知ってもらう機会になる等の良い影響もあったことに驚きました。これを機に、音楽療法の持つ様々な形態を知ってもらえるきっかけになればいいと思うと同時に、これこそが音楽療法の利点だということを学びました。
オンラインは、大学の授業以外で使ったことがありませんでしたが、今回オンラインで参加してみて「地方からの参加が気軽にできる点」「時間やそれぞれの状況に合わせて参加ができる点」「同時作業が行えて効率よく進められる点」という3つのメリットを感じました。今後もこのような形が社会で増えていくのかなと思いました。
今回懇話会に参加してみて、音楽療法の幅広さを改めて実感しました。今後どうなるかわからないコロナ共生時代にも対応できるように、新たな発想も大切にしつつ、残り半分ほどの学生生活に励んでいきたいと思います。 」
(音楽療法専攻 3年 鎌倉萌菜穂)

コロナ禍でも、学生たちは着実に学びを進めています。困難な状況でも、工夫したり想像力を働かせたりすることの大切さを、日々実感しています。

音楽療法専攻チームリーダー 准教授
木下 容子