卒業論文の執筆を通して得たもの

音楽療法専攻では、4年生で卒業論文を執筆します。学生それぞれが興味のある分野について研究し論文としてまとめ、教員や学生たちの前でプレゼンテーションします。その卒論発表が1月27日(月)にありました。今回は4年生の牛田悠貴さんに、卒論執筆を通して得たことを教えてもらいました。

4年生の牛田悠貴です。僕の卒業論文のタイトルは『音楽療法の場におけるユーモアの哲学的研究~心理学的知見を基盤として~』です。僕がこの研究をしたことによって得た学びを「発見」「断捨離」「総合」という3つの観点から書かせていただきます。

まず「発見」についてです。
論文を書くために色々調べると、沢山の「新発見」があります。これまで知らなかったことを知ったり、見えなかったものが見えるようになったり。さらに、今まで当たり前だったはずのものを「ちょっと待てよ?」と考え直すことで、「再発見」出来ることもあります。そんな沢山の「発見」は、僕にとって喜びであると同時に、悩ましいものにもなりました。

「断捨離」の始まりです。
「断捨離」は「不要なものを減らしてより良くする」という意味ですが、論文の場合「情報の断捨離」が必要になります。僕は、知ったことや面白いと思ったことはどんどん「伝えたい!」と思ってしまう性格なので、発見した知識・情報を次々と論文に書いてしまっていました。しかし先生によると、論文は述べた情報が考察に結びつかないと、見る人が混乱してしまうというのです。これが苦しい。愛着のある文章を消すのは結構しんどい作業でした。しかし!これがとても大事だったのです。断捨離する前は自分でも、雑多な情報の中から何と何をつなげて良いか分からずにいました。それを「断捨離」したことで、自分が考察を述べるために必要な情報だけを見られるようになったのです。

そして「総合」。
「総合」とは、別々のものをひとつにまとめることを言います。それぞれの情報を「総合」するときに大事なのはとにかく議論することだと、今回の研究を通して感じました。「僕は○○っていう情報と△△っていう情報を結びつけて■■だと思ったんだけど、どうかな?」と仲間や先生に尋ねると「あー確かに!もしかしたら◆◆とも言えるかもね!!」ということがあり、色々な人の意見を最終的に取り入れ、それも「総合」することが出来ました。

この研究を通し、発見することの喜び、断捨離の大切さと難しさ、総合に当たっての手順を学ぶことが出来ました。そして持つべきものは議論し、励ましあえる友です。本当に助けられました。自分ひとりでは絶対に出来上がりませんでした。それに気付けたのが、実は一番大きい収穫です。(牛田悠貴)

 4年生はみんな、全力投球で論文に取り組んでいました。論文執筆を通して得た様々なことは、卒業して社会に出ていく彼らを大きく羽ばたかせる力になると感じました。(木下容子)

2019年12月9日に音楽療法専攻 定例研究会が開催されました。

音楽療法専攻では、年に数回、定例研究会を開催しています。定例研究会は、卒業生や教員が音楽療法の研究や実践内容を発表して、参加者と知見を共有したり討論したりする場です。
2019年12月9日に開催された定例研究会では、音楽療法専攻卒業生の柳生淳朗さんがご登壇してくれました。柳生さんは現在、下総病院で神経学的音楽療法を実践されていて、当日は映像を交じえながら神経学的音楽療法についてのご講義をしてくれました。

また、歌やキーボードを使って、失語症の方への発話にアプローチする神経学的音楽療法の実践の一例も学生たちに教えてくれました。

定例研究会に参加した音楽療法専攻4年生の上代瑠奈さんが、今回体験した感想を以下に書いてくれました。

「音楽療法専攻4年の上代瑠奈です。今回、初めて柳生先生のご専門である神経学的音楽療法の講習を受けました。私は授業で少し触れたことがある程度であったため、どのような対象者に対し、どのような手続きでアプローチをしていくのか学ぶことが出来ました。
私は最初、この分野では対象者や手続きが細かく定められており、専門的に学んだ方でしか出来ない技法であるため、とても難しそうな印象を感じていました。しかし、柳生先生が現場でのお話も交え、わかりやすく説明をして下さったおかげで、もっと知りたいと思うようになりました。また、この講習では神経学的音楽療法の技法のひとつである、メロディックイントネーションセラピーの体験もしました。今回は、「ありがとう」という挨拶にメロディーを付け、実際にセラピスト役、対象者役になって体験しました。その中で、目線や、上手く言葉が出ないときのヒントの出し方、メロディーの付け方等、セラピストが様々な所に注意を配りながら進めていることを改めて感じました。
音楽療法と一口に言っても様々な分野があり、私達学生には、まだ未知の世界が多くあります。難しそうなどと決めつけずに、様々な世界を見て、知識を広げていけたらと思いました。」

音楽療法の実践を通して社会で活躍している先輩の姿を見て、学生たちは非常に良い刺激を受けたと感じました。また、音楽療法の普及にも尽力しているのを間近に見ることは、学生たちの学びの意欲に繋がるものと思いました。(木下容子)

2019年11月23日カルッツ川崎において、第18回日本音楽療法学会関東支部地方大会が開催されました。

今年度から音楽療法専攻のチームリーダーになりました、木下容子と申します。
ここでは、音楽療法関連の学術大会・講習会や研究会のこと、学生の活躍などをお伝えしていけたらと思っています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

2019年11月23日カルッツ川崎において、第18回日本音楽療法学会関東支部地方大会が開催されました。
その中の≪ひよこ・ひなどりフォーラム≫という音楽療法ビギナーの枠で、音楽療法専攻4年生の下川陽菜さんが「うつ病患者に対する音楽療法の介入についての一考察」というタイトルで発表しました。

下川さんは学術大会で初めての発表でしたが、その率直な感想を以下に述べてくれました。

音楽療法専攻4年の下川陽菜です。
今回、日本音楽療法学会関東支部大会で発表するにあたって、自身で頑張ったことは主に2つです。
「(学会で)発表すると決めること」と「わかりやすく伝えるための準備」です。

発表することを考えはじめたきっかけは先生方からお声がけいただいたから、という受動的なものでした。ですので、そこから自分で「発表する」と決めるまでとても悩んだ記憶があります。
また、決めてからも「わかりやすさ」や「みやすさ」という部分に関してはとても苦戦しました。
発表を聞きに来る方は同じ音楽療法を学んでいる人や実践している人がほとんどとはいえ、やはり自身と皆さんの「前提」は違うので、できるだけ情報をコンパクトにまとめられるよう工夫しました。
また、スライドに映さない文章をどのように伝えるかも、難しかったです。

しかし、発表してみて1番感じたことは、「やってよかった」ということです。
(当日はとても緊張しましたし、胃が痛くなる思いでしたが……)
やってみて、自分がどのように緊張するのか、自分の伝え方はわかりやすかったのかなど「やってみなければわからないこと」が沢山わかりました。
自分の中で、とても大きな経験となりました。

さまざまなアドバイスをしてくださった先生方、励ましてくれた同期や後輩、皆さんありがとうございました。

この大会には、下川さんの他にも本学の音楽療法専攻の学生がたくさん参加しました。
自分たちの仲間の発表を聴きながら、「今後自分もあの場所に登壇するかもしれない」と想いを馳せている学生もいたことと思います。
今後も学生の活躍が楽しみです。

認定音楽療法士の面接・実技試験に、2017年度の音楽療法専攻卒業生が全員合格しました。

日本音楽療法学会の認定音楽療法士を取得するためには、
毎年1月に実施されるペーパーテストに合格した後、
3月に実施される面接・実技試験に合格する必要があります。
 
本学音楽療法専攻では、3年次から認定試験の対策教育に取り組み、
過去の出題傾向を踏まえて、綿密に試験合格のための指導を行なっています。
面接・実技試験についても、受験者全員に個別レッスンを複数回実施し、
試験合格のための万全の体制を取っています。
 
2017年度の本学音楽療法専攻の卒業生は、全員がペーパーテスト、面接・実技試験に合格し、
晴れて「日本音楽療法学会認定音楽療法士」の資格を取得しました。
 
卒業生たちのそれぞれの現場での活躍が期待されます。
 

第16回 日本音楽療法学会関東支部地方大会が、川越キャンパスで開催されます。

 2018年2月25日(日)、日本音楽療法学会関東支部の大会が、本学川越キャンパスを会場として開催されます。

 今大会は、本学の音楽療法専攻の教員は、大会長、実行委員、研究発表の座長など、大会を支える役割を担うことになっています。

 開会式冒頭では、本学音楽療法専攻卒業生3名のピアノとボーカルのユニット「花うたぴあの」が、彼らのオリジナル曲を演奏します。「花うたぴあの」のメンバーは全員、臨床心理、発達臨床、障害児福祉の各領域で活躍をしている音楽療法士でもあります。

 当日は、9時から17時まで、シンポジウム、研究発表、ワークショプなど、盛りだくさんの内容が予定されています。

詳しくは、日本音楽療法学会関東支部ホームページ(http://www.jmta-kanto.jp)をご覧ください。
※外部サイトへリンクします

「第15回世界音楽療法大会」報告

2017年の7月4日から8日までの5日間、つくば国際会議場で「第15回世界音楽療法大会」が開催されました。

世界音楽療法大会は、三年に一回、世界各地で開催される音楽療法の国際会議で、今回は初の日本開催となりました。

世界49カ国から約700名、国内から約2100名、合計2800名以上が参加し、これまでの世界大会で最大規模の参加者となりました。

多くの口頭発表、ポスター発表、ワークショップ、講演が行われ、世界から集まった音楽療法士・音楽療法研究者・音楽療法を学ぶ学生たちが議論し、また交流を楽しんだ、濃い5日間となりました。

東邦音大の複数の教員・卒業生たちが大会実行委員会の仕事に関わりました。また、東邦音大の音楽療法専攻の学生たちがボランティアとして大会運営に協力し、会場内の様々な場所で仕事をしていました。

世界各国の研究者から得た情報と、学会運営にかかわった経験は、参加した学生たちにとって、貴重な財産となったことでしょう。

第15回世界音楽療法大会1
参加者の記念撮影
第15回世界音楽療法大会2
飯島研究員の
ポスター発表
第15回世界音楽療法大会3
研究生の桃原さんの
ポスター発表
第15回世界音楽療法大会4
第15回世界音楽療法大会5
第15回世界音楽療法大会6
 大会ボランティアとして働く、東邦音大・音楽療法専攻の学生たち

第15回世界音楽療法大会が開催されます。

2017年7月3日(月)から8日(土)にかけて、第15回世界音楽療法大会が茨城県つくば市において開催されます。

3年に一度、世界中から音楽療法士が集まり研究結果を発信する音楽療法の国際学会で世界45カ国から約700名、国内から1,900名の参加が予定されています。
本学の音楽療法担当教員・研究員・研究生・卒業生による研究発表も複数行われます。また会場内に本学のブースが設置され、本学音楽療法専攻の紹介がなされます。

大会スケジュールなど、
→詳細は日本音楽療法学会のホームページへ(外部サイトへリンクします)

河野顕記念奨学金の授与式が行われました。

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2016年12月13日(火)、東邦音楽大学の河野顕記念奨学金の授与式が行われました。この奨学金は、東邦音楽大学の教授を務められていた故河野顕先生のご遺族の寄付で、音楽療法専攻4年次生の学生を対象に贈られる給付型の奨学金です。

 今年度が第2回の給付になり、 蒲田千紘さんに贈呈されました。

 蒲田さんは現在、実習と卒論執筆に熱心に取り組んでいます。卒業後は音楽療法の実践者として仕事をしていくことを希望しています。ますますの成長に期待したいと思います。

本学音楽療法専攻卒業生・在学生が 第16回日本音楽療法学会学術大会で研究発表の審査に合格しました

 日本音楽療法学会では、年に1回、学術大会が開催されています。毎年、全国から千人以上の音楽療法関係者が集い、研究発表をします。今年度(2016年)は、来る9月16日〜18日、「第16回学会学術大会」が仙台で開催されます。 

 昨年度の本学音楽療法専攻卒業生の山中瑞希さんが卒業論文で取り組んだ研究を応募したところ、審査に合格して研究発表をすることになりました。 

 また、本学音楽療法専攻4年在学中の坂田詠里子さんと砂川麻樹さんが、3年次の「学内実習発表」で取り組んだ研究を応募したところ、同じく審査に合格したので、在学中ですが研究発表することになりました。 

 昨年度の学術大会では、本学の学部4年に在学中だった柳生淳朗さん(現在、三重大学の大学院生)が発表しましたが、今年度は2名の在学生が発表することになりました。

 本学音楽療法専攻の卒業生・在学生が積極的に学会発表に挑戦し、厳正な審査を通過し、研究発表当日、緊張の面持ちで発表に取組む姿は、本当に頼もしいと感じます。

 3名の発表のタイトルは、以下の通りです。

◎環境音が自伝的記憶の想起に及ぼす影響
〜環境音を音楽療法セッションに活用するための基礎的研究〜

 山中 瑞希 [本学卒業生]
 徳富 政樹 [本学講師]
 高畑 敦子 [本学講師]

◎ダウン症の幼児の音声によるコミュニケーションの促進のための音楽療法の効果
〜言語獲得初期水準に ある事例を通して〜

 坂田詠里子 [本学4年次在学生]
 和田 京子 [本学卒業生]
 飯島 千佳 [本学研究員]
 高畑 敦子 [本学講師]
 二俣 泉  [本学准教授]

◎日本における失語症患者の発話リハビリテーションに対する音楽療法の事例研究の展望
〜Melodic Intonation Therapyの日本語話者に対する有効性の検討を中心に〜

 砂川麻樹 [本学4年次在学生]
 平田紀子 [専任講師]

本学音楽療法専攻の現場実習が、雑誌「セラピスト」の取材を受けました

 隔月発行の雑誌「セラピスト」で音楽療法の特集記事が企画され、私(本学准教授・音楽療法チームリーダーの二俣)と飯島千佳さん(本学研究員・認定音楽療法士)が取材を受けました。また、記者の方が本学音楽療法専攻の実習にも同行され、詳しく取材をしていただきました。

 その記事が掲載された「セラピスト」2016年8月号が刊行されました。記事の中では、本学4年の鈴木裕也さん、3年の山口花歩さんが実習で奮闘する様子も紹介されています。

雑誌「セラピスト」ホームページ(外部サイトへ移動します)
http://www.therapylife.jp/latest/2016/07/20168.php