短期大学の授業紹介「楽器の特性と機能」

短期大学の授業紹介「楽器の特性と機能」
梅雨寒が続き、夏の日差しが待ち遠しい今日このごろですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
キャンパスでは7月31日からの前期実技試験に向けて、学生たちの準備も佳境に入っています。

今回は短期大学の授業から「楽器の特性と機能」についてご紹介しましょう。
この講義は様々な楽器について、各楽器の専門家がリレー形式で講義をするものです。多くの楽器について専門知識を幅広く得ることができる機会となっています。

先日は2回にわたり、ピアノについての講義が行われました。
ピアノ教員に加え調律師2名が講義を行い、ピアノという楽器が発明され改良を重ねられてきた歴史、現代のピアノの構造と機能、メンテナンスの方法、グランドピアノとアップライトピアノの比較などについて詳しく見て行きました。

ピアノが発明される以前から重要な地位を占めていた歴史的鍵盤楽器「クラヴィコード」についても、実際の楽器を見ながら学びました。
東邦音楽大学・短期大学では、計2台のクラヴィコードを所蔵しています。このほど大掛かりな修復を終え、今回の講義では学生たちが直接触れて音を出すことができました。人の声のように表情豊かで繊細なクラヴィコードの響きがキャンパスに甦りました。

ピアノのメンテナンスについては、その3要素である「調律」「整調」「整音」について調律師による解説を聞きました。それぞれの作業に使用する特殊な道具も見せていただくことができました。

実際にピアノを分解して内部の仕組みを間近で見るコーナーでは、学生たちは興味津々の様子で触ったり写真に収めたりしていました。グランドピアノとアップライトピアノの比較も、内部の仕組みを実際に目にすることでよく理解できます。また、めったに見ることのできないスタインウェイフルコンの内部の造形は感動的でした。

誰もが知っているピアノという楽器ですが、その世界は限りなく奥深いものです。
学生たちはこの講義を通じて、さまざまな楽器についての知識を深めることのみならず、より一層の興味と音楽表現への意欲を高めたことでしょう。