「楽器の特性と機能」の講義にて、ピアノについて学びました。

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東邦音楽大学・東邦音楽短期大学では、様々な特色あるカリキュラムを実践しています。

先日、東邦音楽短期大学において、ピアノという楽器について深く知るための授業が行われましたのでご紹介します。
この講義は「楽器の特性と機能」と題し、多種多様な楽器について各楽器の専門家がリレー方式でレクチャーを行っています。その一環として、今回は2回にわたってピアノに関するレクチャーが行われました。

まず第1回では、ピアノの歴史と機能、メンテナンスの基礎知識について学びました。ピアノは1709年頃、イタリア人のクリストフォリによって発明され、今日に至るまで様々な改良を積み重ねてきました。初期のピアノが当時の代表的な鍵盤楽器であるチェンバロとクラヴィコードの長所を兼ね備えるものとして発明されたことや、ベートーヴェンを始めとする大作曲家たちと当時の楽器製作者たちの熱意や創意工夫により改良を重ねられてきたことを学びました。
お二人の調律師の方々にもお越しいただき、ピアノの構造や機能、「調律」「整調」「整音」の3つの要素からなるメンテナンスについてお話を伺った後、実際にピアノ内部のアクション機構を取り出し、分かりやすく解説していただきました。
また、本学所蔵のクラヴィコードの実物も展示され、特有の「ベーブンク奏法」(鍵盤を指で揉みこむことによって表現する一種のビブラート奏法)を学生たちが実際に試してみることもできました。

第2回では、グランドピアノとアップライトピアノの比較を行いました。19世紀に入り小型のピアノへの需要が高まったことから発明されたアップライトピアノについて、本来横向きである楽器にどのような工夫をこらして縦型の仕組みを実現したのか、実際に両者のピアノの内部が見えるように解体して比較を行いました。アップライトピアノの内部の様々な工夫を知るとともに、改めてグランドピアノが幅広い表現力を持っていることについても理解を深めました。

それぞれの講義の後半では学生たちが机を離れてピアノの周りに集まり、普段は見ることができない楽器の内部構造に触れながら教員・調律師にさまざまな質問をするなど、非常にアクティブな学びの時間を過ごしました。