Konzertfach(演奏専攻)学生による演奏会「奏」が行われました。

キャンパスを吹き抜ける風の軽やかさと木々の佇まいの変化に、日々季節の移り変わりを感じます。
「芸術の秋」の訪れとともに、本学でも様々な演奏会が行われています。
どの演奏会も、出演者および来場者の検温・消毒実施、座席の限定的な使用、常時換気の実施など、様々な感染症拡大防止対策を行いながらの開催です。このような中で学生も教職員も、改めて音楽が傍にある生活の貴重さ、素晴らしさをかみしめています。

2020年11月7日(土)東邦音楽大学川越キャンパスグランツザールにて、「奏」と銘打たれたKonzertfach(演奏専攻)学生による演奏会が開催されました。
この演奏会は、Konzertfach(演奏専攻)学生が各年度に2回、音楽ホールで日頃のレッスンと練習・研究の成果を披露するもので、この専攻の重要なカリキュラムの一つに位置付けられています。
今回、ピアノでは4名の学生が出演しました。

平林 大翔(大学2年)
L.v.ベートーヴェン:ソナタ第24番 嬰へ長調 Op.78 第1楽章
F.ショパン: エチュード イ短調 Op.10-2
F.ショパン: 舟歌 嬰へ長調 Op.60

ベートーヴェンとショパンの円熟期の名曲に加えて、ショパンのエチュードの中でも難曲の一つであるOp.10-2を組み込んだプログラムを、それぞれの曲想に合わせ、深い音色と豊かなイントネーションで演奏してくださいました。

宮本 有紗(大学2年)
W.A.モーツアルト:ソナタ ハ短調 KV457

モーツァルトのピアノソナタは大半が長調で書かれていますが、これは数少ない短調のソナタの一つ。しばしば同時に出版された「幻想曲KV475」と組み合わせて演奏されます。宮本さんもこれまでにその幻想曲を演奏しており、今回ソナタKV457全楽章を演奏することで大きなレパートリーが完成しました。

宇佐川 真由(大学4年)
P.I.チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23

演奏専攻では、卒業までに必ずピアノ協奏曲も履修することとしています。今回は、ピアノ編曲版によるオーケストラパートを本学大学院修了のピアニスト・浅井和音さんが担当し、2台ピアノにより演奏されました。ロシアピアノ音楽を代表する大曲を、集中力を持って力強く弾き切り、ピアノ協奏曲の醍醐味を味わうことのできる時間となりました。

長谷川 芽唯(大学4年)
J.ブラームス:6つの小品 Op.118より
1.間奏曲 イ短調  2.間奏曲 イ長調
C.ドビュッシー:前奏曲第1集より
5.アナカプリの丘  7.西風の見たもの  8.亜麻色の髪の乙女  12.吟遊詩人
前奏曲第2集より
1.霧  5.ヒースの草むら  6.風変わりなラヴィーヌ将軍 11.交代する3度

ドイツロマン派とフランス近現代という、スタイルの大きく異なる二人の大作曲家による小品集より、計10曲を組み合わせてのプログラムでした。長谷川さんは、それぞれの曲が内包する多様な世界を、想像力豊かに柔らかな美しい響きで表現してくださいました。