コロナ禍における教育活動~ピアノ指導者コースの授業から
2021年最初のピアノダイアリーをお読みくださりありがとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、本学においても厳重な感染防止策を講じ授業を進めております。
今回は、東邦音楽短期大学器楽専攻ピアノ指導者コースでの取り組みについてご紹介します。
人と人とのコンタクトが思うように取れない中、様々な場面でオンラインコミュニケーションが活用されるようになりました。ピアノレッスンの現場においても、多くのピアノ指導者の方々が遠隔レッスンの工夫をされています。
そこで、本学ピアノ指導者コースにおいてもオンラインレッスンのスキルアップを学修に取り入れています。
先日は、学内の2つの教室をオンラインで繋ぎ、学生が先生役と生徒役に分かれて模擬レッスンを行いました。
ピアノ指導者コースの授業では、ピアノを学ぶ生徒に対するコミュニケーションスキルの向上を目指していますが、対面レッスンでのコミュニケーションとオンラインでのそれは異なる点が多々あります。
これは実際に体験してみないと分からないことも多いです。学生たちは、オンラインで自分がレッスンする立場を体験することで様々な発見をしていました。
パソコンの画面を通してのレッスンでは、音色の微妙な変化やペダルの響きを聴き取ることは困難です。また、対面ならではの温もりや身振り手振り等の「ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)」は通じにくくなります。
したがって、言葉はゆっくり明確な発音で伝えること、イントネーション豊かに話すことなどが大切になってきます。
指示もなるべく具体的にしたほうが伝わりやすくなります。
「8小節目の3拍目にある休符を見てみてね。ここの休符は、何分休符かな?」
「ここでは息をすって、息に合わせて腕を上げてみましょう。私がやってみるのでよく見てみてください。」
「それでは、9小節目の1拍前のアウフタクトを見つけてください。そのレの音から、右手を弾いてみましょう。」
このようにして、生徒が確実に理解しているか確認しながら進むことになります。これにより、普段のレッスンでは生徒に曖昧にしか伝わっていなかったことを、より確実な理解に繋げることができるかもしれません。
また別の授業では、本学卒業生のピアノ指導者にご協力いただき、オンラインレッスン見学を実施しました。
現在の社会状況では、学生たちと教室を訪問してレッスンを見学させていただくことは困難ですが、オンラインツールを利用すれば全国各地の先生方のレッスンを見学することが可能になります。
学生からは「実際の音楽教室の一場面を見ることができて刺激になった」「こうして他の先生のレッスンを見学できる機会はめったにないのでとても参考になった」という声が聞かれました。
一日も早く感染症の脅威が過ぎ去ることを願うことはもちろんですが、立ち止まることなく新しい可能性にチャレンジしていくことが必要です。
今回こうして学生たちと共に得た知見をもとに、さらに研究を深め本学のカリキュラムの進化に繋げていこうと考えています。
ピアノ指導者コース紹介動画を公開しておりますので、是非ご視聴ください。