7月の演奏会、セミナーに向けて

全国的に梅雨に入り、屋内で過ごすことが多い季節となりました。人の身体と似て、楽器も気候に影響を受けます。ピアノは5000以上の精密部品の組み合わせで出来ており、急激な温度・湿度の変化にさらされると状態が様々に変化し、弾き手のイメージに敏感に応えられなくなる場合もあります。そのため、この時期は楽器のメンテナンスに気を配ることがとても大切です。
一方で、晴耕雨読の言葉のごとく、雨続きの日々に落ち着いた気持ちで練習に取り組み、関連する書籍や資料にじっくり目を通すのも楽しいことです。時にはピアノの上蓋を開けて、普段あまり目に触れないところの埃を払って綺麗にするのも良いでしょう。楽器を大切にすることは、音楽を大切にする気持ちにもつながると思います。

長引くコロナ禍によって芸術文化活動は大きく制約を受けてきましたが、様々な感染症予防対策を講じながら徐々に活気を取り戻しつつあります。本学においても、夏に向けて多くの演奏会、セミナー等の準備を進めています。

2022年7月17日(日)川越キャンパスグランツザールにて、『第221回 定期研究発表演奏会【ソロの部】』が開催されます。

本学附属中学校、高等学校、第二高等学校、大学、短期大学の各最上級学年の学生・生徒より選抜された出演者が、ソロ演奏および作品発表を行う晴れの舞台です。
大学からは4年次生の小川雄大さん、関根彩花さん、短期大学から2年次生の中平なつこさんがピアノソロ演奏を披露します。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

2022年7月31日(日)文京キャンパスにて『第15回 東邦音楽大学 東邦ピアノセミナー』を開催予定です。
本学教員が講師をつとめ、ピアノに関わる様々なテーマを掘り下げてまいりました。おかげさまで毎年多くの方々にご参加いただき、今回15回目を迎えることとなりました。

講座1「ピアノのための練習曲の発展をたどる ~バッハの教育的作品からショパンのエチュードまで~」を担当する浦川玲子専任講師は、ウィーン国立音楽大学を首席で卒業、ピアノ演奏のみならずピアノ教育法についても深く研究し、オーストリア国家ピアノ教授資格を取得されています。
今回の講座では、J.S.バッハの《インヴェンションとシンフォニア》からショパンのエチュードに至るまで、ピアノ演奏の洗練と上達を目指した作曲家たちの創意工夫をたどります。ピアノ音楽の歴史を彩る大作曲家たちが、その教育法や練習曲についてどのような足跡を残したかを網羅的に知ることのできる貴重な機会となるでしょう。

講座2「F.リストのピアニズムと作品の魅力を探る ~ピアノの可能性を追求した卓越した演奏技術と多彩な表現の秘密~」を担当する中島剛専任講師は、東邦音楽大学を首席で卒業後、ハンガリー国立リスト音楽院で学び、国内外で活発に演奏活動を続けています。
今回の講座は、中島剛先生が中心的なレパートリーとしているF.リストの作品がテーマです。実際の演奏を交えながら、リストの作品を演奏する際の身体の使い方、和声、デュナーミク、アゴーギクなど多角的な視点から解説していきます。東邦ピアノセミナーでは初登場となる中島剛先生のレクチャーと演奏、どうぞご期待ください。

同日、オプションで本学ピアノ指導教員による個人レッスンも行います。(希望者のみ:1人45分)
講座・レッスンとも現在お申込みを受付中です。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

ぜひこの夏も、東邦の各キャンパスにてピアノ音楽を味わい、知識を深める一日をお過ごしください。多くの皆様のご来場、ご参加をお待ち申し上げております。