新たな気持ちで

ピアノダイアリー

新年度がスタートしました。
この時期は、ありとあらゆるものが若返り、清々しく明るく美しい季節です。
自然の贈り物のお蔭で、新たな気持ちでチャレンジすることを、心の中でそっと決意した人もいるでしょう。

多くの人は新年の初めに「今年の目標」を立てるのではないでしょうか。
およそ3カ月経ってみてどうですか。思い通りに進んでいますか。
実は、必要であれば私達には軌道修正をして仕切り直す機会があります。それが、この新年度の始まりである4月です。

東邦音楽大学・短期大学には、皆さんが成長する土壌となるための教育活動がたくさん用意されています。
是非この時季を逃さず、一人ひとりが将来のために、自らが育つ力を培う種まきをし、苗を植えていきましょう。
その日々の営みがきっと実り多い学生生活になることでしょう。

さて、前々回のピアノダイアリーで紹介された、今年が没後100年のクロード・ドビュッシー。
実は日本とも深い関わりがあります。

1867年、パリ万博でヨーロッパに紹介された日本の文化は、フランスを中心とした新しい流れ「ジャポニズム」を生み出しました。
ドビュッシーもその影響を大きく受け、西洋の音楽家で一番早くジャポニズムを取り入れた作曲家です。
日本美術の大ファンで収集家でもありました。

彼の作曲した交響詩「海」の楽譜の表紙は、葛飾北斎の富獄三十六景の中の「神奈川沖浪裏 」を模しています。
興味のある人は、是非調べてみてください。
ドビュッシーは作曲の技法にとどまらず、精神的にも日本的な感性をもっていたのでしょう。

この機会、ドビュッシーの人となりに近づいてみませんか。