第7回東邦ピアノセミナーが開催されました。


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去る7月28日(日)、文京キャンパスにて「第7回東邦音楽大学 東邦ピアノセミナー」が開催されました。

当日は好天に恵まれ、全国各地から大勢の参加者をお迎えすることができました。

今回も、それぞれに特徴のある3つの講座が行われました。

一つ目は、このセミナー創設以来のシリーズである「時代様式に基づくピアノ演奏とは‐7 ~バロックから古典へ~」。

小林律子准教授が担当し、鍵盤音楽史の礎とも言えるバロック期にスポットをあて、様式と演奏との深い結びつきについて考察しました。

ひとくちに「バロックらしく弾く」といっても、それがどのようなことかを理解するためには、当時の人々の暮らしや文化について知ることが非常に大切であると実感されました。

二つ目の講座は、今回初めて作曲の小島佳男教授が担当しました。

「作曲家の伝えたいことは?」と題して、子供たちのピアノ指導にも用いられる有名な作品を通して、音符の裏側に何が隠されているか、指導するにあたってどのような音感教育が必要なのかを考えました。

題材として取り上げられたのは、どれも良く知られた作品でしたが、楽曲形式や和声の視点から作曲家の意図を考えていく作業は大変知的かつ楽しいものでした。

三つ目の講座は、これもセミナー創設以来続いている「作曲家シリーズ」の一環として、久邇之宜教授による「R.シューマン。その作品と演奏 ~光と影の具現者たち~」が行われました。

R。シューマンの波乱に満ちた人生を振り返り、そのピアノ曲を中心に演奏史の考察が行われました。

様々なピアニストによる演奏が紹介され、演奏者が変わることによって、同じ作品でも全く異なる生命力が注ぎこまれる様子が分かり、シューマンの作品が持つ音楽性の奥深さを改めて知ることができました。

これら3つの講座と並行して個人レッスンが行われ、終了後には懇親会が行われました。ピアノ指導者、本学卒業生、そして様々なかたちで音楽に携わる方々が大勢参加してくださり、予定した時間があっという間に感じられるほどの盛会となりました。

お越しいただきました皆様、そしてこのセミナーに関心を持って下さった皆様に、深くお礼申し上げます。