冬晴れのキャンパスにて ~後期実技試験と「作品ノート」~


2022年も残り少なくなりました。皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
今年の冬は青空が美しく感じられます。川越キャンパス16号館には眺望の良い学食と学生ラウンジがあり、晴れた日には遠く富士山や浅間山を望むこともできます。
年末に向けて、キャンパスでは学生たちが後期実技試験曲の練習に取り組んでいます。このところ適度に空気が乾燥しているためか、学内の楽器の響きが良いようです。

大学4年生、短大2年生にとっては、年明けの1月末から2月にかけて行われる後期実技試験が、卒業前の最後の試験となります。そして、この試験で演奏する曲について、「作品ノート」という研究レポートを提出することになっています。
作品が生まれた時代背景、作曲者の生涯などについて調べ、様々な方法で楽曲分析を行い、レポートにまとめていきます。本学には文京、川越両キャンパスに図書館があり、一般の図書館とは異なる音楽の専門書、事典、楽譜などを手に取って研究を進めることができます。
「作品ノート」をまとめる作業は、ピアノに向かうことのみならず幅広く音楽についての素養を身に付ける、一人ひとりの学びの集大成とも言えるでしょう。

中には、本格的な論文に匹敵するような作品ノートを完成させる学生もおり、それらは図書館に収蔵されて後輩たちのための大切な参考資料となっています。

寒い日が続くとピアノに向かう身体も固くなりがちですが、一方で冬の凛とした空気は芸術に向かう気持ちを高めてくれます。大学、短大の冬休みは長くありませんが、年明けには学生たちはさらに成長した姿を見せてくれることでしょう。

今年も日常生活が完全に平常を取り戻すには至りませんでしたが、本学においては多くの演奏会、公開講座、イベント等が無事に行われ、ウィーンアカデミー研修も再開される等、活気に満ちた日々を送ることができました。ピアノダイアリーの過去記事とともに、この一年を振り返っていただけると幸いです。

2023年が、さらに皆さまにとって良い一年になりますように。
今年もピアノダイアリーをお読みくださりありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。