春を待ちながら
寒さの中にも、日々明るくなる日差しとともに、春を感じては、嬉しくなるこの頃です。
大学・短大では、実技試験も終わり、学生たちが、ホッと一息入れています。そしてこの時期は、緊張から解放され、皆次に何を勉強しようかと、図書館や楽器店で楽譜を見たり、音源を聴いたり、音楽的にとてもワクワクと楽しく充実した活動をしています。印刷された「楽譜」から色彩が飛び出し、物語が聞こえるなど、夢が広がる瞬間です。
さて、今年は、クロード・ドビュッシーの没後100年の年です。彼は、1918年3月25日にパリで亡くなっています(享年55歳)。それにちなんで今年は、ドビュッシーに関連した演奏会や講座などが数多く開催されることでしょう。ぜひこの機会にドビュッシーの世界に浸ってみてはいかがでしょうか?
古い著作ですが、ドビュッシーと直接親交のあったピアニスト、マルグリット・ロン女史(1874〜1966)の『ドビュッシーとピアノ曲』(音楽之友社)もおすすめの1冊です。「名演奏家の第5指は、玉に瑕だ」「ピアノにハンマーが付いていることを忘れさせることが大切だ」など、ハーモニーの捉え方や演奏法にヒントになる言葉がたくさん含まれています。もしかしたら、ドビュッシーの作品像に新たなインスピレーションを得ることができるかもしれません。