新年度を迎えて ーさくらー

桜の季節が近づくと、私たち日本人はにわかに心がざわめきます。冬の頃すっかり葉を落として幹や枝だけになった桜の木立。ひっそりと無言の佇まいからは何も見えませんが、新しい命が目覚める準備をしていたのですね。蕾がほころびだすと瞬く間にあたり一面、薄桃色の世界になります。

今年も川越、文京キャンパスの桜たちは、学生の皆さんの新しい門出に彩りをそえてくれました。

桜の花びらが舞い散る中、学生たちは~さくら~に後押しされて人生の大切な時を体験します。

学生一人ひとりが、これから取り組む音楽や学業に向けて、意欲を新たにしたことと思います。

人生に寄り添ってくれる桜。

皆さんの「今年見る桜」はどんなでしたか。

♪♪♪

ご存知のとおり、日本を代表する曲に「さくら さくら」があります。

時代によって三種類の歌詞が教科書で使われているようですが、ルーツはお筝の入門曲。
旋律の宮音(主音に近い)をミとする日本音階が使われています。

有名なプッチーニのオペラ「蝶々夫人」の第一幕にこの「さくらさくら」をはじめ「お江戸日本橋」「君が代」などの日本の旋律が登場します。

明治37年にミラノのスカラ座で初演されたとありますから海外でも古くから知られていたということでしょう。