ごあいさつ

緊急事態宣言発令の中、令和2年度が始まりました。しかし入学式も新年度に向けてのオリエンテーションも中止、学校がいつ再開されるかも分からず、学生達はどうしているか、新入生は大丈夫だろうかと、とても気掛かりな日々でした。
5月半ばにオンラインによる授業とレッスンが開始。私が担当しているピアノ専攻の2・3年生を対象にしたソルフェージュ(初見・移調)もオンラインで始まりました。画面を通して久しぶりに会った学生達は、目を輝かせ真剣そのもの。学生達がきちんとモチベーションを保っていたことは大きな喜びでした。オンラインによるレッスンは出来ることに限界があり、専門教育として踏み込んでいくことには無理がありましたが、普段時間をかけることの出来ない基礎的な奏法を見直すには絶好の機会となりました。その際、役に立ったのが本学で作成したテキスト「表現を高めるための毎日のピアノエクササイズ」です。さまざまな使い方が可能ですので、教員それぞれが工夫をして活用していたようです。またソルフェージュでも全員が所持しているこのテキストは、大いに役に立ちました。

今月から「マスク着用」「手洗い」「換気」「学生との距離」など、細心の注意をしながら対面でのレッスンが始まりました。学生達は、いつもにも増してニコニコしているように感じます。ある学生が言った「先生、やっぱり学校はいいです!」の言葉は、皆の気持ちそのものでしょう。
今年度は、例年とは異なるスケジュールで進みますが、学生達がさらに十分な学びが出来ますよう、教員も気を引き締めてしっかり向き合いたいと思っています。

                           ピアノ専攻主任
大場 文惠