ピアノ公開講座(講師:金子三勇士先生)が開催されました!

2022年9月15日(木)川越キャンパスグランツザールにて、金子三勇士先生をお迎えして「ピアノ公開講座 コロナ禍に響く!〜フランツ・リストの音楽魂〜」を開催いたしました。ご承知のように、コロナ禍によってピアノ公開講座はしばらくの間休止しておりましたが、このたび久し振りの開催が叶いました。ソーシャルディスタンス確保のために座席数を制限しながらも、大勢の学生の皆さんの期待感や高揚感が会場に渦巻いていたように感じられました。
 さて、金子三勇士先生は、日本とハンガリーとにルーツをお持ちで、国内外で幅広くご活躍中のピア二ストでいらっしゃいます。今回の講座の最初には、音楽とはそもそも何のためにあるのか?音楽とは何か?という問いかけがありました。金子先生御自らがグランツザールの中をマイク片手に歩き回って学生さんへ直撃インタビューを行い、プロ司会者のように軽妙ながらも核心をついたお話をたっぷりと展開してくださいました。
 「芸術には正解はないが、我々自身が答えを持っていなければいけない」
 「音楽は人に生きる喜びを感じさせてくれる芸術である」
 社会の中での音楽家のポジションの見つけ方、そして音楽と音楽教育についても触れられ、原点に戻って冷静に物事を考える力、挑戦を恐れない勇気、時代の流れを受け入れる心についてのお話に引き続き、リストの活躍と功績についてまとめてくださいました。1. グランドピアノの発展に多大なる影響を与えた、2. ピアノリサイタルを初めて行った、3. 国立リスト音楽院大学を創設した。さらに、リストの編曲を通して見えてくる「社会への音楽発信」の重要性について述べられました。リストの新しい発想や努力により19世紀の人々の音楽体験が豊かになっていった、その先を見通す姿勢から現代の我々は学んでいくことができる、新しい何かを築けるか否かが大切である等、金子先生の実体験に裏打ちされた貴重なお話は、学生の皆さんがこれからの音楽人生を築く上での大きなヒントになることでしょう。
 金子先生が講座の中でご披露くださったベートーヴェン作曲の交響曲第9番のリストによる編曲、ショパン作曲のソナタ第2番より第3楽章「葬送行進曲」、リスト作曲の「愛の夢 第3番」やシューマン作曲の歌曲「君に捧ぐ(献呈)」など、グランツザール全体に響き渡る華麗で迫力に満ちたピアノ演奏に、客席から大きな拍手が沸き起こりました。一言、一音も聞き漏らすまいと、会場にいた全員が真剣に集中して耳を傾け、あっという間に2時間が経過していました。名残惜しい雰囲気の中で、楽しく有意義な講座が無事に終了いたしました。

●金子三勇士先生 ご出演情報
2022年10月22日(土)気軽にクラシックvol.45 金子三勇士ピアノ・トークリサイタル
https://saitama-culture.jp/plazawest20221022kanekomiyuji/