「東邦ミュージック・フェスティバル2022」にて「煌めき!!ピアノコンサート」を開催しました。

2022年10月8日・9日、川越キャンパスにて「東邦ミュージック・フェスティバル2022 ~愉しき旋律(たのしきうた)~」が開催されました。

今年はピアノを専門とする学生たちによるコンサートを両日とも行い、ソロとアンサンブルによるバラエティに富んだプログラムを披露しました。今回のピアノダイアリーでは、その2公演の出演者と曲目を写真とともにご紹介しましょう。司会、受付、舞台など、演奏会運営を担当した学生スタッフたちの活躍もご覧ください。

第1日・10月8日(土)には、16号館スタジオBにて「煌めき!!ピアノコンサート at Studio B」を開催しました。
司会は大学2年の田野井鳳雅さん、大学2年の大橋佳奈さん、大学3年の本田杏衣さんの3人が担当し、演奏者による曲目解説を紹介しながらコンサートを進行しました。

コンサートはKonzertfach(演奏専攻)1、2年次学生によるピアノソロ演奏からスタートです。
本学演奏専攻は、オーストリア共和国ウィーン市にある東邦ウィーンキャンパスで実施されるカリキュラムを含む、日本とウィーンアカデミー教授陣との「ダブルティーチャー制」を特徴としています。今回のコロナ禍により海外での研修を実施できない状況が続いていましたが、国内外の状況の変化を受け、この9月に厳重な安全策を講じてウィーン研修を再開することができました。今回のコンサートは研修からの帰国後まもなく、ウィーンでの経験を新鮮に感じながら、多くのお客様の前で演奏するという貴重な機会となりました。

岩澤ことね(大学1年)
L.v.ベートーヴェン:ソナタ第1番 ヘ短調 Op.2-1 第1楽章、第4楽章

植松姫菜(大学1年)
F.ショパン:ポロネーズ 変イ長調 『英雄』 Op.53

遠藤乙彩(大学1年)
F.ショパン:バラード第3番 変イ長調 Op.47

清原一龍(大学2年)
F.ショパン:スケルツオ第3番 嬰ハ短調 Op.39

休憩をはさみ、ピアノアンサンブルによるプログラムに移ります。2台ピアノ、連弾、ピアノと弦楽器による室内楽が演奏されました。
まずバロックの巨匠バッハの音楽からスタートです。この作品は、元々オーボエ、ヴァイオリンと弦楽合奏という編成で作曲され、のちにバッハ自身が2台のチェンバロと弦楽合奏のために編曲したと考えられています。今回はこれを2台のピアノにより演奏しました。アンサンブルコンサートの幕開けに相応しい格調高い雰囲気となりました。

改籐啓乃 (1st 大学2年) 永井亜依(2nd 大学2年)
J.S.バッハ:2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV1060 第1楽章、第3楽章

続いて、短大生による演奏です。短大「ピアノアンサンブル」の講義を通じて学んだ成果が、2台ピアノと連弾により披露されました。連弾を演奏した竹田さんと中平さんは短期大学で熱心に学んでいらっしゃる社会人学生です。

田中美羽 (1st 短大2年) 厚川もも(2nd 短大2年)
W.A.モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ ニ長調 KV448 第1楽章

竹田恵美(1st 短大2年) 中平なつこ(2nd 短大2年)
G.フォーレ:組曲『ドリー』 Op.56 3.ドリーの庭 、6.スペイン風の踊り

続いて、ピアノと2つのヴァイオリンという、ユニークな編成による演奏です。大学「室内楽」の講義を通じて培った成果が、ヴァイオリンのお二人による賛助出演の協力を得て披露されました。

田中摩音(Pf. 大学2年) 石塚ゆきの(Vn. 大学1年) 安藤桃(Vn. 大1年)
D.ショスタコーヴィチ(L.アトフミャン編曲):2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品

休憩をはさみ、2台ピアノによる名曲の数々が演奏されました。満員の聴衆にも恵まれてスタジオBは華やかな雰囲気に包まれました。

野口満理奈(1st 大2) 吉田有沙(2nd 大2)
F.プーランク:2台のピアノのための協奏曲 第2楽章、第3楽章

奥光李(1st 大3) 斉藤愛実(2nd 大3)
S.ラフマニノフ:組曲第2番 Op.17 3.ロマンス

亀岡沙有(1st 大3) 田所理央(2nd 短2)
W.ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲

菅野爾音(1st 大2) 新井あやの(2nd 大4)
C.サン=サーンス :死の舞踏 Op.40

司会、楽器の移動等の舞台セッティング、受付、会場のご案内も、学生スタッフが分担しました。刻々と移り変わる状況に応じて、タイミング良く適切にその役割を果たすことは簡単ではありません。演奏会を作り上げる経験を通じて、出演者のみならず学生スタッフたちも音楽人として大きく成長しました。

1日目のコンサートは大盛況にて無事に終了しました。出演者、司会者、学生スタッフ一同で記念撮影です。

第2日・10月9日(日)は、東邦が誇る音楽ホール・グランツザールにて「煌めき!!ピアノコンサート at Glanz Saal」を開催しました。大学の上級学年と大学院生によるステージです。

まずモーツァルトの連弾曲からスタートです。これはモーツァルトによる5曲の連弾ソナタのうち最も構成の大きな作品で、華やかなパッセージや会話するような掛け合いが楽しめる、ぴったりと息の合った演奏でした。

石田りさ(1st 大学3年) 川端まひろ(2nd 大学4年)
W.A.モーツァルト:四手のためのソナタ ハ長調KV521 第1楽章

続いて大学・大学院で学ぶ二人の留学生による演奏です。ロマンティックでスケールの大きい2台ピアノの響きが会場を満たしました。

劉音嬋(1st 大学3年) 赵崇博(2nd 大学院2年)
A.アレンスキー:組曲第1番 Op.15 1.ロマンス、3.ポロネーズ

続いて演奏したお二人は、本学大学院において親子揃って研究に取り組まれています。今回はフランスの作曲家ラヴェルによる作品を、知性溢れる美しい響きで彩り演奏されました。鶴岡智優さんは、来月ピアノリサイタルの開催も予定しています。

鶴岡智優(1st 大学院1年) 鶴岡美佳子(2nd 大学院1年)
M.ラヴェル:序奏とアレグロ

休憩をはさみ、Konzertfach(演奏専攻)4年生の平林大翔さんが、弦楽器奏者お二人の賛助出演を得て、フランス音楽の金字塔の一つと言えるラヴェルのピアノ三重奏曲を演奏しました。

平林大翔(Pf. 大学4年) 佐藤直樹(Vn. アドバンスコース1年) 井上伸一(Vc. 本学研究員)
M.ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調 第1楽章

演奏終了後、ピアノ三重奏曲の配置から2台ピアノ配置へと転換する舞台セッティングの時間を利用して、司会の大学3年、本多杏衣さんによる平林さんへのインタヴューも行いました。ピアノ三重奏に取り組んだ感想、演奏専攻での学び、将来の夢、目標などについて大いに語っていただきました。

一方、グランツザール舞台でのセッティングは、専門的な知識と経験、そして繊細さが必要な作業です。本学地域連携・演奏センター職員のアドバイスを受けながら学生スタッフも奮闘しました。

再び2台ピアノの演奏に戻ります。大学院2年のお二人による演奏は、本学の学びの集大成とも言える雰囲気を感じさせました。

宇佐川真由 (1st 大学院2年) 長谷川芽唯(2nd 大学院2年)
I.ストラヴィンスキー:『ペトルーシュカからの3楽章』より「ロシアの踊り」

最後は、演奏専攻大学4年の宮本有紗さんとピアノ専攻大学4年の小川雄大さんによる2台ピアノ演奏です。3曲からなるドビュッシー作曲『白と黒で』全曲という聴き応えのある曲目でコンサートを締めくくりました。

宮本有紗(1st 大学4年) 小川雄大(2nd 大学4年)
C.ドビュッシー:『白と黒で』

こうして「煌めき!!ピアノコンサート」二日間の公演が全て無事に終了しました。いずれも多くのお客様にご来場いただき、終始温かい雰囲気と盛大な拍手で会場を包んでくださったことは、出演者はもちろん、司会、舞台・会場スタッフの学生たちにも大きな勇気を与えたに違いありません。この場を借りまして心よりお礼申し上げます。東邦ミュージック・フェスティバルを通じて広がった音楽の喜びが、学生たちをさらに成長させ、多くの音楽を愛する人々とともに世界に潤いと平和をもたらすことを祈念します。