オープンキャンパスが始まりました。

関東も梅雨入りし蒸し暑い日々が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
この時期は、人の身体も楽器もコンディションを保つのが難しい時期です。睡眠と栄養をしっかりとって、楽器のためには湿度管理や清掃も行い、元気に過ごしたいですね。

今年度も東邦音楽大学・東邦音楽短期大学「オープンキャンパス」がスタートしました。
オープンキャンパスでは、入学者選抜、カリキュラムについてのオリエンテーション、キャンパスツアー、専攻別プレゼンテーション&音楽活動、体験レッスン、個別進学相談など、多彩なプログラムが行われます。そして、さまざまな場面で在学生が活躍し、本学の日頃の雰囲気や校風を感じていただけるよう工夫をこらしています。

まず6月18日(日)、トップを切って開催されたのは「東邦音楽短期大学オープンキャンパス」(文京キャンパス)です。
オープニングコンサートでは、本学卒業生の曽根原真理さんがピアノソロ演奏を披露し、ご来場の皆さまを歓迎しました。
曲目は、L.v.ベートーヴェン作曲『ソナタ第18番変ホ長調Op.31-3』第1楽章・第4楽章です。

キャンパスツアーでは、学生が日頃の授業やレッスンの様子をお話ししながら皆さまをご案内します。

「専攻プレゼンテーション&音楽活動」では、来場者のご案内とともに、各専攻の音楽活動にも加わります。
今回のピアノコース・ピアノ指導者コース音楽活動では、3名の在学生の協力を得て、ピアノ作品の分析と、ピアノ指導教材の体験を行いました。本学の普段の授業がどのような雰囲気で行われているかを感じていただけたことと思います。

今年度も、大学・短期大学それぞれ3回、計6回の「オープンキャンパス」、そして「体験レッスン&個別進学相談」、「スキルアップ講習会」「基礎力診断」など、音大の学びを体験できる様々なイベントが開催されます。
また、10月7(土)、8(日)開催予定の「東邦ミュージック・フェスティバル」、「定期研究演奏発表会」をはじめ、多くの演奏会に向けて学生たちが研究と練習に取り組んでいます。
ぜひ両キャンパスにお越しいただき、本学の活動の息吹を感じていただければと思います。

オープンキャンパス等の詳細は、下記のページをご覧ください。
皆様のお越しを、学生たちとともにお待ちしております。

「東邦音楽大学オープンキャンパス・説明会」
https://www.toho-music.ac.jp/college/admission/opencampus/

「東邦音楽短期大学オープンキャンパス・説明会」
https://www.toho-music.ac.jp/juniorcollege/category/opencampus/

今年も東邦ピアノセミナーを開催いたします!!

大型連休も終わり、大学もまた通常運転に戻りました。日々明るい時間が長くなり、爽やかな空気に満ちたこの初夏の時期、学生たちの生活にも活気がみなぎっています。コロナ禍を経て、伸びやかに勉強ができる環境がいかに貴重なことか、改めて感じさせられます。

さて、毎年恒例のお知らせですが、今年度も7月30日(日)に文京キャンパスにて「東邦ピアノセミナー」を開催いたします。今年で第16回目となりました。こうして継続して来られましたのは、毎年多くの皆様がご参加くださり、私たち教員と共に、参加者お一人お一人の力でこのセミナーを育てていただいたおかげと、ピアノ教員一同心から感謝しております。
また、年に一度懐かしいお顔にお会いできることも、私たち教員にとってとても楽しみなことです。今年も夏の1日をどっぷりとピアノ三昧に過ごしてみませんか?

今回は、チラシのように講座1では「ショパンを弾く」~ショパンと”うた”~というタイトルで小林律子教授によるショパンの講座を、講座2では「連弾の奥深い世界」~その演奏法と指導法~というタイトルで大場文惠特任教授による連弾の講座をご用意いたしました。併せて本学教員による個人レッスンもございます。
今回も、本学教員による音楽の宝箱を惜しみなく展開いたしますので、どうぞご期待ください。

5月8日15:00より受付を開始しております。ピアノに興味のある方でしたら、どなたでもご参加いただけますので、下記のQRコード、あるいはリンクからwebページに入っていただき、お申し込みいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

第16回 ピアノセミナーの詳細はこちら


お申し込みフォームはこちら

新学期が始まりました。

令和5年度の前期授業・レッスンがスタートしました。
キャンパスの花々も本格的な春の訪れを告げています。
学生が、川越キャンパスを彩る綺麗なハナミズキの写真を送ってくれました。

4月5日、川越キャンパスグランツザールにて入学式が挙行されました。この日は春らしい穏やかな天候に恵まれ、無事に新入学生を迎えることができました。入学式の最後には、コロナ禍において声を出して歌うことができなかった「東邦の歌」が、4年ぶりにホールに響き渡りました。

 
大学・短期大学の年度初めは、学生オリエンテーション、履修相談、履修登録をはじめとする様々な手続きなどに学生、教職員ともに奔走し、文京・川越両キャンパスは大変賑やかです。

そんな中、4月8日には「専攻別オリエンテーション」が開催され、大学ピアノ専攻、Konzertfach(演奏専攻)ピアノ、教職実践専攻(ピアノ)、短期大学器楽専攻ピアノコース、同ピアノ指導者コースの学生が一堂に会しました。これは、ピアノを専門とする学生全員が集まる貴重な機会です。

この日は、小林先生による大学・短期大学での学び全体についての講話に始まり、充実した学生生活を送るための心得、ピアノ教員の担当する授業科目の紹介、大学院の紹介などがありました。
オリエンテーションの最後は、大学4年次生の亀岡沙有さんが、素晴らしいピアノの演奏で締めくくってくださいました。

今年度は、多くの演奏会やイベントが、以前の姿を取り戻して開催できる予定です。
早速4月15日には、『東邦音楽大学 Konzertfach(演奏専攻)学生による演奏会』が、川越キャンパスグランツザールにて開催され、ピアノを専門とする5人の学生たちが演奏専攻に相応しいプログラムを披露しました。

大学2年 岩澤ことね
L.v.ベートーヴェン: ソナタ第24番嬰へ長調 Op.78
F.ショパン: バラード第1番 ト短調 Op.23

大学2年 植松姫菜
S.ラフマニノフ: 楽興の時 Op.16-3 ロ短調、Op.16-4 ホ短調
F.ショパン: 幻想曲 へ短調 Op.49

大学2年 遠藤乙彩
F.シューベルト: 4つの即興曲
第1番ハ短調 Op.90-1、第3番変ト長調Op.90-3、第4番変イ長調 Op.90-4

大学2年 杉谷優太
J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第2巻 第20番イ短調 BWV889
F.ショパン: バラード第4番 へ短調 Op.52

大学3年 清原一龍
J.S.バッハ: 平均律クラヴィーア曲集第1巻 第5番ニ長調 BWV850
F.ショパン: エチュード 変イ長調 Op.25-1
S.プロコフィエフ: トッカータ ニ短調 Op.11

今年度もピアノダイアリーでは、東邦音楽大学・東邦音楽短期大学のピアノにまつわる話題や、演奏会、イベント等、キャンパスの様々なシーンを毎月お届けして行く予定です。
どうぞこれからも、ピアノダイアリーをよろしくお願いいたします。

卒業おめでとうございます

3月に入り、本格的な春の訪れと共に今年度を締めくくる行事が行われました。

2023年3月11日(土)、川越キャンパスグランツザールにて『令和4年度 東邦音楽大学 東邦音楽短期大学 卒業代表演奏会』が開催されました。

ピアノを専門とする学生では、短期大学器楽専攻ピアノコース2年次生の田所理央さん、大学教職実践専攻(ピアノ)4年次生の関根彩花さん、Konzertfach(演奏専攻)4年次生の平林大翔さん、宮本有紗さんの4名が出演し、それぞれ、卒業を控える学生たちにとって集大成となる演奏を披露しました。


田所 理央/ショパンの主題による変奏曲より F.モンポウ


関根 彩花/10の前奏曲 作品23 第4番 ニ長調 S.ラフマニノフ


平林 大翔/ポロネーズ第6番 変イ長調 作品53 F.ショパン


宮本 有紗/前奏曲 第2巻より
     Ⅶ.月の光が降り注ぐ謁見のテラス
     Ⅷ.オンディーヌ
     Ⅺ.交代する三度

そして、3月18日(土)には、桜のほころび始めた川越キャンパスにて『東邦音楽大学 東邦音楽短期大学 東邦音楽大学大学院 卒業証書・学位記授与式』が挙行されました。

長く続いた「コロナ生活」もようやく出口が見え、マスクの着用が緩和され、ここ3年間の卒業式とは異なる学生の晴れの姿を、我々教員も感慨深い思いで見守っておりました。

改めて、卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。コロナ禍の中で多くの時間を過ごした皆さんは、今まで誰も経験してこなかった困難な学生生活を乗り越えて卒業を迎えています。その経験がみなさんを強くしていると思います。これからそれぞれの道に進まれても、一歩一歩を大切に進み続けてください。我々教員も陰ながら応援しています。

 最後に、この学校で出会った仲間や、過ごした日々を忘れずに!東邦はみなさんがいつでも戻ってくることができる場所です。

また会える日を楽しみにしています。皆さんのさらなる飛躍を期待しています。

卒業代表演奏会が開催されます。

この2月は降雪に見舞われる日もありましたが、幸い大学・短期大学の後期試験は全て無事に終了しました。
現在は附属中学校・高等学校・第二高等学校の実技試験が進行しているところです。

2023年3月11日(土)川越キャンパスグランツザールにて「卒業代表演奏会」が開催されます。
大学4年次生、短期大学2年次生から選抜された学生が演奏する晴れの舞台です。
ピアノを専門とする学生は、大学4年の関根彩花さん、平林大翔さん、宮本有紗さん、短期大学2年の田所理央さんの4名が出演します。

関根さんは教職実践専攻(ピアノ)、平林さんと宮本さんはKonzertfach(演奏専攻)の学生です。本学独自のカリキュラムのもと、演奏表現はもちろん、様々なことに幅広く取り組み充実した学生生活を送ってきました。4年間の学びの集大成としてどんな演奏を聴かせていただけるか大変楽しみです。

田所さんは、短期大学で学ぶ社会人学生です。これまでも多くのイベントやコンサートに出演し、昨年7月には「トライアルコンサート2022」の出演者に選ばれ、本学の社会人学生として初めてオーケストラとの共演を披露しました。卒業後の幅広い活躍が期待されます。
「トライアルコンサート」の模様を掲載したこちらの記事も、どうぞご覧ください。

本公演は、新型コロナウィルス感染防止の観点から、政府・自治体・関係団体のガイドラインに基づいた対策を講じた上で開催いたします。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

『令和4年度 東邦音楽大学 東邦音楽短期大学 卒業代表演奏会』
2023年3月11日(土) 14:00開演(13:30開場)
会場 東邦音楽大学グランツザール
料金 全席自由・入場無料
出演者 東邦音楽大学4年次生代表者・東邦音楽短期大学2年次生代表者

お問合せ、詳細につきましては、こちらのページをご覧ください。

後期の総まとめ~短大の授業風景より

年が明け、大学・短大では後期の総まとめの時期に入り、一気に緊張感を伴う空気に包まれています。学生たちは学科のレポート提出や様々な試験をこなし、一年の集大成とも言える実技試験に向けて一層充実した日々を過ごしています。

さて、今回は短大の授業最終日の様子をご紹介しましょう。授業は「アンサンブルⅠ」、連弾を学びます。連弾は少々地味な存在でもあるのですが、実は名作の宝庫でもあります。授業を通して、演奏される機会の少ない数々の作品に巡り合うことは、大変有意義なことではないかと思います。授業内でその様な曲、曲集を紹介し「聴くヒント」を提示すると、学生たちは実に積極的な反応を示し、感心するほどにいろいろな作品を聴き、その中から弾いてみたい曲を選曲します。

「アンサンブルⅠ」最終日では文京キャンパス内の「50周年記念館ホール」で録音を行うことが恒例となっています。

今回のプログラムは、
R.シューマン:「小さな子供と大きな子供のための12の小品」作品85
J.ブラームス:ワルツ集「愛の歌」作品52a
A.ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集作品72
G.フォーレ:組曲「ドリー」作品56
P.チャイコフスキー:「くるみ割り人形」作品71a
S.ラフマニノフ:6つの小品作品11

以上、実に多彩なものになりました。実際の録音は各曲の中からの抜粋になりましたが、皆作品に誠実に向き合って、作品についてよく考え協議し、大変良い録音ができたと思っています。

来年度「アンサンブルⅡ」ではいよいよ2台ピアノを行います。更に名曲の数々と出会い、豪華なアンサンブルを体験し、音楽的経験を豊富に積んでいくことを願っています。

冬晴れのキャンパスにて ~後期実技試験と「作品ノート」~


2022年も残り少なくなりました。皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
今年の冬は青空が美しく感じられます。川越キャンパス16号館には眺望の良い学食と学生ラウンジがあり、晴れた日には遠く富士山や浅間山を望むこともできます。
年末に向けて、キャンパスでは学生たちが後期実技試験曲の練習に取り組んでいます。このところ適度に空気が乾燥しているためか、学内の楽器の響きが良いようです。

大学4年生、短大2年生にとっては、年明けの1月末から2月にかけて行われる後期実技試験が、卒業前の最後の試験となります。そして、この試験で演奏する曲について、「作品ノート」という研究レポートを提出することになっています。
作品が生まれた時代背景、作曲者の生涯などについて調べ、様々な方法で楽曲分析を行い、レポートにまとめていきます。本学には文京、川越両キャンパスに図書館があり、一般の図書館とは異なる音楽の専門書、事典、楽譜などを手に取って研究を進めることができます。
「作品ノート」をまとめる作業は、ピアノに向かうことのみならず幅広く音楽についての素養を身に付ける、一人ひとりの学びの集大成とも言えるでしょう。

中には、本格的な論文に匹敵するような作品ノートを完成させる学生もおり、それらは図書館に収蔵されて後輩たちのための大切な参考資料となっています。

寒い日が続くとピアノに向かう身体も固くなりがちですが、一方で冬の凛とした空気は芸術に向かう気持ちを高めてくれます。大学、短大の冬休みは長くありませんが、年明けには学生たちはさらに成長した姿を見せてくれることでしょう。

今年も日常生活が完全に平常を取り戻すには至りませんでしたが、本学においては多くの演奏会、公開講座、イベント等が無事に行われ、ウィーンアカデミー研修も再開される等、活気に満ちた日々を送ることができました。ピアノダイアリーの過去記事とともに、この一年を振り返っていただけると幸いです。

2023年が、さらに皆さまにとって良い一年になりますように。
今年もピアノダイアリーをお読みくださりありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

Konzertfach(演奏専攻)演奏会&大学院特別講座を開催しました。


秋も深まり、美しい紅葉を楽しませてくれた川越キャンパスの樹々たちも、徐々に冬の装いに変わろうとしています。
今月はピアノ専攻に係わる二つの催しがグランツザールでありました。

先ず5日(土)にKonzertfach(演奏専攻)の学生による演奏会が行われました。ピアノを専門とする学生は、1年生3名、2年生1名、4年生2名が出演しました。Konzertfachのカリキュラムである1年に2回のウィーンでの研修はコロナ禍のため実施されていませんでしたが、2年半ぶりに9月に再開されました。4年生は久しぶりに、1・2年生は初めて、現地での研修に参加しました。それぞれ多くのことを受け取ったことが、演奏から伺われました。次の研修は2月に予定されています。回を重ねるごとに確実に成長するよう期待したいと思います。

9日(水)は大学院特別講座を開催しました。
迎えの車から川越キャンパスに降り立たれるや否や「わあ、綺麗な紅葉! 素敵な建物!写真を撮ってもいいですか?」と明るい声を上げられたのは、講師の高橋多佳子先生でした。私は緊張してお迎えしていた筈が急に距離が近くなり、そのお人柄に触れた思いでした。

高橋先生は音大卒業後、ポーランドで10年間研鑽を積まれました。その間にショパン国際ピアノコンクール5位入賞など数々のコンクールで優秀な成績を修めています。その後、ワルシャワフィルハーモニーや国内の主要なオーケストラと共演なさったり、ソロは勿論のことピアノ二重奏や室内楽でもご活躍の注目のピアニストです。またご自身で企画なさったコンサートでも常に話題を集めていらっしゃいます。

受講生は大学院1年生が2名、2年生が3名の計5名が、フランク、バッハ、ドビュッシー、リスト、ベルクの作品を演奏しました。一人1時間足らずのレッスンでしたが、先ず先生が客席でお聴きになるところからレッスンが始まりました。一度通し終えると、先生はその学生の良い点を挙げて褒めてくださいました。その後、具体的なレッスンになりました。

それぞれの学生を細かくご指導いただきましたが、その中で共通しておっしゃっていたことを3点挙げてみたいと思います。

「ダイナミックレンジを大きく」
「大きなエネルギーで音楽の頂点に向かう」
「テクニックを習得するためには、さまざまな練習方法で」

強い音については、上腕の筋肉を意識して、楽器から音が離れていくように、とアドバイスをいただきました。また練習方法については、逆の形にして弾く練習を取り入れると効果的。例えば

・p→f、f→p
・ゆっくり→速く、速い→ゆっくり
・切る→レガート、レガート→切る
・8度の連続は弱めの音でレガートで練習する

など沢山のヒントをいただきました。そして先生がお弾きになるホールに突き抜けるように美しく響く音と素晴らしい表現の一端を知ることができました。

最後に先生から「良い学校ですね。学生さんたちもよく準備されていて素晴らしい!」とお褒めの言葉をいただきました。
大学院生、聴講した学部生は、多くのことを学んだことと思います。
もう一つ高橋先生から学んだこと。それは常に明るく笑顔を絶やさずポジティブに! そして感性豊かに!ということでした。

高橋多佳子先生、ありがとうございました。

「東邦ミュージック・フェスティバル2022」にて「煌めき!!ピアノコンサート」を開催しました。

2022年10月8日・9日、川越キャンパスにて「東邦ミュージック・フェスティバル2022 ~愉しき旋律(たのしきうた)~」が開催されました。

今年はピアノを専門とする学生たちによるコンサートを両日とも行い、ソロとアンサンブルによるバラエティに富んだプログラムを披露しました。今回のピアノダイアリーでは、その2公演の出演者と曲目を写真とともにご紹介しましょう。司会、受付、舞台など、演奏会運営を担当した学生スタッフたちの活躍もご覧ください。

第1日・10月8日(土)には、16号館スタジオBにて「煌めき!!ピアノコンサート at Studio B」を開催しました。
司会は大学2年の田野井鳳雅さん、大学2年の大橋佳奈さん、大学3年の本田杏衣さんの3人が担当し、演奏者による曲目解説を紹介しながらコンサートを進行しました。

コンサートはKonzertfach(演奏専攻)1、2年次学生によるピアノソロ演奏からスタートです。
本学演奏専攻は、オーストリア共和国ウィーン市にある東邦ウィーンキャンパスで実施されるカリキュラムを含む、日本とウィーンアカデミー教授陣との「ダブルティーチャー制」を特徴としています。今回のコロナ禍により海外での研修を実施できない状況が続いていましたが、国内外の状況の変化を受け、この9月に厳重な安全策を講じてウィーン研修を再開することができました。今回のコンサートは研修からの帰国後まもなく、ウィーンでの経験を新鮮に感じながら、多くのお客様の前で演奏するという貴重な機会となりました。

岩澤ことね(大学1年)
L.v.ベートーヴェン:ソナタ第1番 ヘ短調 Op.2-1 第1楽章、第4楽章

植松姫菜(大学1年)
F.ショパン:ポロネーズ 変イ長調 『英雄』 Op.53

遠藤乙彩(大学1年)
F.ショパン:バラード第3番 変イ長調 Op.47

清原一龍(大学2年)
F.ショパン:スケルツオ第3番 嬰ハ短調 Op.39

休憩をはさみ、ピアノアンサンブルによるプログラムに移ります。2台ピアノ、連弾、ピアノと弦楽器による室内楽が演奏されました。
まずバロックの巨匠バッハの音楽からスタートです。この作品は、元々オーボエ、ヴァイオリンと弦楽合奏という編成で作曲され、のちにバッハ自身が2台のチェンバロと弦楽合奏のために編曲したと考えられています。今回はこれを2台のピアノにより演奏しました。アンサンブルコンサートの幕開けに相応しい格調高い雰囲気となりました。

改籐啓乃 (1st 大学2年) 永井亜依(2nd 大学2年)
J.S.バッハ:2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV1060 第1楽章、第3楽章

続いて、短大生による演奏です。短大「ピアノアンサンブル」の講義を通じて学んだ成果が、2台ピアノと連弾により披露されました。連弾を演奏した竹田さんと中平さんは短期大学で熱心に学んでいらっしゃる社会人学生です。

田中美羽 (1st 短大2年) 厚川もも(2nd 短大2年)
W.A.モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ ニ長調 KV448 第1楽章

竹田恵美(1st 短大2年) 中平なつこ(2nd 短大2年)
G.フォーレ:組曲『ドリー』 Op.56 3.ドリーの庭 、6.スペイン風の踊り

続いて、ピアノと2つのヴァイオリンという、ユニークな編成による演奏です。大学「室内楽」の講義を通じて培った成果が、ヴァイオリンのお二人による賛助出演の協力を得て披露されました。

田中摩音(Pf. 大学2年) 石塚ゆきの(Vn. 大学1年) 安藤桃(Vn. 大1年)
D.ショスタコーヴィチ(L.アトフミャン編曲):2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品

休憩をはさみ、2台ピアノによる名曲の数々が演奏されました。満員の聴衆にも恵まれてスタジオBは華やかな雰囲気に包まれました。

野口満理奈(1st 大2) 吉田有沙(2nd 大2)
F.プーランク:2台のピアノのための協奏曲 第2楽章、第3楽章

奥光李(1st 大3) 斉藤愛実(2nd 大3)
S.ラフマニノフ:組曲第2番 Op.17 3.ロマンス

亀岡沙有(1st 大3) 田所理央(2nd 短2)
W.ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲

菅野爾音(1st 大2) 新井あやの(2nd 大4)
C.サン=サーンス :死の舞踏 Op.40

司会、楽器の移動等の舞台セッティング、受付、会場のご案内も、学生スタッフが分担しました。刻々と移り変わる状況に応じて、タイミング良く適切にその役割を果たすことは簡単ではありません。演奏会を作り上げる経験を通じて、出演者のみならず学生スタッフたちも音楽人として大きく成長しました。

1日目のコンサートは大盛況にて無事に終了しました。出演者、司会者、学生スタッフ一同で記念撮影です。

第2日・10月9日(日)は、東邦が誇る音楽ホール・グランツザールにて「煌めき!!ピアノコンサート at Glanz Saal」を開催しました。大学の上級学年と大学院生によるステージです。

まずモーツァルトの連弾曲からスタートです。これはモーツァルトによる5曲の連弾ソナタのうち最も構成の大きな作品で、華やかなパッセージや会話するような掛け合いが楽しめる、ぴったりと息の合った演奏でした。

石田りさ(1st 大学3年) 川端まひろ(2nd 大学4年)
W.A.モーツァルト:四手のためのソナタ ハ長調KV521 第1楽章

続いて大学・大学院で学ぶ二人の留学生による演奏です。ロマンティックでスケールの大きい2台ピアノの響きが会場を満たしました。

劉音嬋(1st 大学3年) 赵崇博(2nd 大学院2年)
A.アレンスキー:組曲第1番 Op.15 1.ロマンス、3.ポロネーズ

続いて演奏したお二人は、本学大学院において親子揃って研究に取り組まれています。今回はフランスの作曲家ラヴェルによる作品を、知性溢れる美しい響きで彩り演奏されました。鶴岡智優さんは、来月ピアノリサイタルの開催も予定しています。

鶴岡智優(1st 大学院1年) 鶴岡美佳子(2nd 大学院1年)
M.ラヴェル:序奏とアレグロ

休憩をはさみ、Konzertfach(演奏専攻)4年生の平林大翔さんが、弦楽器奏者お二人の賛助出演を得て、フランス音楽の金字塔の一つと言えるラヴェルのピアノ三重奏曲を演奏しました。

平林大翔(Pf. 大学4年) 佐藤直樹(Vn. アドバンスコース1年) 井上伸一(Vc. 本学研究員)
M.ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調 第1楽章

演奏終了後、ピアノ三重奏曲の配置から2台ピアノ配置へと転換する舞台セッティングの時間を利用して、司会の大学3年、本多杏衣さんによる平林さんへのインタヴューも行いました。ピアノ三重奏に取り組んだ感想、演奏専攻での学び、将来の夢、目標などについて大いに語っていただきました。

一方、グランツザール舞台でのセッティングは、専門的な知識と経験、そして繊細さが必要な作業です。本学地域連携・演奏センター職員のアドバイスを受けながら学生スタッフも奮闘しました。

再び2台ピアノの演奏に戻ります。大学院2年のお二人による演奏は、本学の学びの集大成とも言える雰囲気を感じさせました。

宇佐川真由 (1st 大学院2年) 長谷川芽唯(2nd 大学院2年)
I.ストラヴィンスキー:『ペトルーシュカからの3楽章』より「ロシアの踊り」

最後は、演奏専攻大学4年の宮本有紗さんとピアノ専攻大学4年の小川雄大さんによる2台ピアノ演奏です。3曲からなるドビュッシー作曲『白と黒で』全曲という聴き応えのある曲目でコンサートを締めくくりました。

宮本有紗(1st 大学4年) 小川雄大(2nd 大学4年)
C.ドビュッシー:『白と黒で』

こうして「煌めき!!ピアノコンサート」二日間の公演が全て無事に終了しました。いずれも多くのお客様にご来場いただき、終始温かい雰囲気と盛大な拍手で会場を包んでくださったことは、出演者はもちろん、司会、舞台・会場スタッフの学生たちにも大きな勇気を与えたに違いありません。この場を借りまして心よりお礼申し上げます。東邦ミュージック・フェスティバルを通じて広がった音楽の喜びが、学生たちをさらに成長させ、多くの音楽を愛する人々とともに世界に潤いと平和をもたらすことを祈念します。

ピアノ公開講座(講師:金子三勇士先生)が開催されました!

2022年9月15日(木)川越キャンパスグランツザールにて、金子三勇士先生をお迎えして「ピアノ公開講座 コロナ禍に響く!〜フランツ・リストの音楽魂〜」を開催いたしました。ご承知のように、コロナ禍によってピアノ公開講座はしばらくの間休止しておりましたが、このたび久し振りの開催が叶いました。ソーシャルディスタンス確保のために座席数を制限しながらも、大勢の学生の皆さんの期待感や高揚感が会場に渦巻いていたように感じられました。
 さて、金子三勇士先生は、日本とハンガリーとにルーツをお持ちで、国内外で幅広くご活躍中のピア二ストでいらっしゃいます。今回の講座の最初には、音楽とはそもそも何のためにあるのか?音楽とは何か?という問いかけがありました。金子先生御自らがグランツザールの中をマイク片手に歩き回って学生さんへ直撃インタビューを行い、プロ司会者のように軽妙ながらも核心をついたお話をたっぷりと展開してくださいました。
 「芸術には正解はないが、我々自身が答えを持っていなければいけない」
 「音楽は人に生きる喜びを感じさせてくれる芸術である」
 社会の中での音楽家のポジションの見つけ方、そして音楽と音楽教育についても触れられ、原点に戻って冷静に物事を考える力、挑戦を恐れない勇気、時代の流れを受け入れる心についてのお話に引き続き、リストの活躍と功績についてまとめてくださいました。1. グランドピアノの発展に多大なる影響を与えた、2. ピアノリサイタルを初めて行った、3. 国立リスト音楽院大学を創設した。さらに、リストの編曲を通して見えてくる「社会への音楽発信」の重要性について述べられました。リストの新しい発想や努力により19世紀の人々の音楽体験が豊かになっていった、その先を見通す姿勢から現代の我々は学んでいくことができる、新しい何かを築けるか否かが大切である等、金子先生の実体験に裏打ちされた貴重なお話は、学生の皆さんがこれからの音楽人生を築く上での大きなヒントになることでしょう。
 金子先生が講座の中でご披露くださったベートーヴェン作曲の交響曲第9番のリストによる編曲、ショパン作曲のソナタ第2番より第3楽章「葬送行進曲」、リスト作曲の「愛の夢 第3番」やシューマン作曲の歌曲「君に捧ぐ(献呈)」など、グランツザール全体に響き渡る華麗で迫力に満ちたピアノ演奏に、客席から大きな拍手が沸き起こりました。一言、一音も聞き漏らすまいと、会場にいた全員が真剣に集中して耳を傾け、あっという間に2時間が経過していました。名残惜しい雰囲気の中で、楽しく有意義な講座が無事に終了いたしました。

●金子三勇士先生 ご出演情報
2022年10月22日(土)気軽にクラシックvol.45 金子三勇士ピアノ・トークリサイタル
https://saitama-culture.jp/plazawest20221022kanekomiyuji/